2021年12月 5日 (日)

文芸同人雑誌の動向や展望について、まとまった情報は存在するのか

 文芸同人誌は、本質的に合評会をするので、地域内での活動性が枠があります。そのため、そのすべてをみわたすことが出来にくいでしょう。かつては、雑誌「文学界」に「同人誌評」がありました。じぶんが月報を発行していたころは、評をしていた今は故人の大河内氏、松本道介氏。季刊文科の編集に関係のあった草場氏(現在は草場書房を運営)などから情報を得ていました。考え方は伊藤桂一氏の同人誌観にしたがっていました。詩作品についても、同じでした。思い起こせば、「文学界」に評された同人誌に問い合わせをしたいのと、どんな状況か取材して欲しい、月報の読者からの要求があって、合評会に見学をさせてもらいました。感じたのは、部外者には冷淡で、閉鎖性の強いのが文芸同人誌でした。伊藤桂一氏より、「いいことだから根気よくやりなさい」と言われなければ、対象にしていなかったでしょう。同じことを何度も言っていますが、文芸同志会は、会員が原稿料を得るためには、何をどう書くべきかを模索するものでしたので、同人誌については、出版社に近い同人会とは交流がありました。「砂」という同人誌は、昔は「群像」や「新潮」の編集者とつながりがありました。しかし、それも一時的なもので、縁のある人が亡くなったり、雑誌の編集者が変わったりして、縁も失われきました。ライターの活躍する場も変化し、私自身が高収入の得られた新聞、機関誌の編集執筆に時間を費やすようになりました。自分は後期高齢者ですが、パソコンの教室に通ったことはなく、クライアントの要求で、機器とカメラを用意し、依頼された原稿をワードで書いておくり、請求書にはエクセルの使い方を習っただけです。当時、週刊誌や専門新聞の原稿を引き受ける人を斡旋する団体がいくつかありました。また、ネットニュースの外部記者にも報酬がでました。フリーペーパーから、ネットの食べログのようなお店紹介記事なども増えました。取材原稿料は大変安く、普通のライターはやりませんが、記事を書いて報酬をもらえば、いくら安くても、プロのライターという実績になりました。ネットやツイッターは、執筆者はライターでなく、タダで書いたものをデーターにして、広告費でビジネスにするわけです。時代が違って、隠居して良かったと思います。今は「海」(いなべ市)読み終わり、紹介を書くばかりです。今日も、沢山の雑誌や詩集、エッセイ集が到着しています。おいおい読んでいきます。この辺で、同人雑誌の地域的状況を、知るところを言いますと、三田村さんの「中部ペンクラブ」が、書き手の量と質で、最大のグループでしょう。同人誌同士の連携も強いようです。「季刊文科」は、予約読者の多さと、東京という地域性で、運営会社と編集人、職業作家の執筆の場として存在感があり、有力商業誌でしょう。「全作家」は本部が東京にあり、中部ペンほど同人数が多いようには思えません。雑誌「文芸思潮」は、アジア文化社という会社で五十嵐勉氏が、編集と運用をしているようです。商業誌で、紀伊国屋書店などで買えます。 

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2021年12月 2日 (木)

第一回全国同人雑誌協会総会のレポートを読んで

 同人雑誌の全国組織が船出したようだ。《参照:全国同人雑誌協会の第1回総会を五十嵐氏が報告~東京新聞
 日本の国内消費の主役は、人口の3割を占める高齢者である。しかも、年々定年退職者が増えていく。団塊の世代で経済を盛り立てた高齢者産業は成長産業である。したがって、趣味としての文芸活動の後継者は、多く控えている。生活記録や自分史などを書きたい人は、文芸同人誌に参加してくるであろう。ただ、そのすべてが、文学的な芸術性を求める人であることはない。生活日誌的なエッセイか、学問研究者、海外生活ものなどが多いはず。純文学的な発表場所では、「季刊文科」が独特のシステムを採用しているが、順調のように見える。ネットでは、出版社の注目するサイトで投稿者が多いが、自分の思い過ごしかも知れないが、検閲による常識の範囲での表現に限られる感じがする。活字印刷表現の重要性が認識されるのではないだろうか。

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2021年11月 9日 (火)

つまらない人生と自意識

 生活しいていると、次から次へとやることが出来る。でもいつかは、できない時が来る。今は生きている。おそらく明日も生きているだろうと思う。だけど、それは思っているだけで、本当はわからない。そのことを意識していると、こんなつまらない風景も面白い。無人風景フェチなのである。《参照:マスクでぼんやり平日の温泉旅=長野・上田駅前周辺風景》。自意識というものが、ものぐさ精神を動かす。自分の文学趣味の原点である。

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2021年11月 8日 (月)

西日本文学展望「西日本新聞」10月29日・朝刊=茶園梨加氏

題「体験と思索」
『評伝・人間織坂幸治 ココロハ コトバデアル。ことばは こころである。』井本元義さん著、仲西佳文さん編(花書院)
野田明子さん「無空道」(「ほりわり」35号、柳川市)
坂口博さん「織坂幸治小論」、『織坂幸治論集 畸言塵考』
文芸批評「叙説」Ⅲ-19号より特集「震災」、小特集「火野葦平研究の現在」
森崎和江さん『まっくら』が岩波書店から文庫化。解説は水溜真由美さん
《「文芸同人誌案内・掲示板」ひわきさんまとめ》


 

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2021年10月27日 (水)

文芸同人誌を月刊で発行するシステム紹介

 文芸同人誌を月刊で発行することなど、不可能であろうと、自分は思い込んでいた。また、かつて月刊「詩と眞實」を読んだ記憶があるが、当時の同人誌に対する期待と現在のそれとは異なるので、そのうちに月刊ではなくなるであろうと、考えていた。紹介するのもどうであったか、記憶していない。そのご寄贈されなくなったので、その印象だけが残って、忘れている存在だった。しかし、その後、寄贈されるようになった。それが、現在でも月刊であることに驚いた。現在11月号は869号である。
 そして、本誌には「同人・会員募集」欄がある。--本誌は昭和23年11月、戦後の荒廃のなかから立ち上げられ、56名の文学を愛する同誌の酔って創刊されました。以来、月刊文芸誌として今日に至っています。関心のある方は、下記の決まりを読んで問い合わせをしてください、という趣旨が記されている。このような文芸同人誌の存在もあるということで、会費や自費負担に関する項目を転記してみた。誤記があるかもしれないので、興味のある方は、正確には問い合わせをしてみてください。それにしても、よくこの費用負担で発行できるものだと思う。
「同人清規」
1、同人加入希望者は近作1篇を添えて申し込むこと。加人決定は編集委員の合意による。決定後は同人費3ヶ月以上を前納すること。
 2、同人費は月2千円。未納期間は作品の掲載を停止する。6ヶ月未納の者にして何ら意志表示のない場合は、同人を除名することを原則とする。
 3、原稿の締め切りは毎月15日とする。掲載は編集委員の合議に任せること。
 4、編集・校正はその月の第1土曜日、発送は第3土曜H、合評会は最終土曜日に午後3時より「松葉」にて行う。発送には多数の御参加を乞う。
 5、4百字詰め原稿=2万6千円。連載作についてははその都度、協議の上で負担金を決める。
「会員清規」
 1、会員は通常と特別の二種とし通常会員は、月額500円3ヵ月分前納、特別会員は月額750円以上とする。雑誌代は含む。
 2、原稿用紙3枚(4百字詰め)以内の随筆を発表することができる。
編集・発行人=今村有成。〒862-0963熊本市南区出仲間4丁目14-1。.

 

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2021年10月 9日 (土)

全国同人雑誌協会の近況から

 同人誌「クレーン」の和田信一郎氏の投稿が、「文芸同人誌案内」掲示板にある。それによると、全国同人雑誌協会の参加者が50もあるそうである。和田氏は少ないという思いだそうだが、自分にはそんなに多いのか、という感じをうけた。自分の印象では、文芸同人誌の同人で、職業作家になりたいとする人は多くない。すでにほかの職業で人生を歩んできた人が多い様に見える。たまたま、文芸同志会の意志を知らないで、作品紹介をしてもらえるから、という理由で贈ってくれているようなので、文学性を考慮しない時事性の強い作品の多い雑誌を読んでいるのかもしれないし、協会に参加する同人誌とは種類が違うのかもしれない。同人誌のほとんどが、地域性が強く、合評会での読者が必ずいることに対する確信、書きたいことが書けることの良さがある。多くの読者には興味がないであろう普遍性のない作品でも、読んでもらえるということで、書かれたものに意外な発見があり、生活者の実態がわかるのが、長所である。そのかわり、世間的な俗生活に、差し障りがあったり、不便が生じるようなことは、書けない。そういう言うに言えない制約があるなかで、一番の目的が存続することのように見える。おそらく、どこかにそうした目的に貢献するために、東京に出てきて、漠然とした懇親を深めることに意義を認める同人誌の同人がいることが、発見である。

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2021年10月 8日 (金)

西日本文学展望「西日本新聞」9月30日/朝刊=茶園梨加氏

題「地域を描く」
冒頭、米本浩二さん『魂の邂逅(かいこう) 石牟礼道子と渡辺京二』(新潮社、2020年)に触れる。
都満州美さん「訪問診療」(「海峡派」152号、北九州市)、伊福満代さん「二歩の父」(「龍舌蘭」203号、宮崎市)
白石すみほさん「破倫」(「ふたり」26号、佐賀県唐津市)、鳥海美幸さん「森」(「龍舌蘭」203号)、高崎綏子さん「木語(もくご)」(海峡派」152号)
《「文芸同人誌案内・掲示板」ひわきさんまとめ》

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2021年8月 2日 (月)

西日本文学展望「西日本新聞」(7月30日/朝刊)=茶園梨加氏

題「生きづらさ」
冒頭「生きづらさ」について『コンビニ人間』(村田沙耶香)、『推し、燃ゆ』(宇佐見りん)、『水たまりで息をする』に触れる。
深水由美子さん『優しいお墓』(「第八期九州文学」576号、福岡市)、階堂徹さん『瓦の落ちた先』(「詩と眞實」865号、熊本市)
佐々木信子さん「初嵐」(「第八期九州文学」576号、福岡市)、遠藤博明さん「稲妻と案山子」(「ら・めえる」82号、長崎市)、川村道行さん「「独」と「離」」(「海」第二期26号、福岡市) 《「文芸同人誌案内・掲示板」ひわきさんまとめ》> 

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2021年7月23日 (金)

「文芸中部」誌からの「中部ペン」など同人雑誌情報

「文芸中部」(117号)誌から、本誌のほかに中部ペン会報と全国同人雑誌協会ニュースレターが寄贈されてきた。なかに100号以上の発行回数を誇る文芸同人誌の形がある。《参照:「全国同人雑誌協会」などにみる同人誌の文学性の動向》ーーこれらの雑誌は、おそらく文学性に優れた作家が多くいるのであろう。しかし、我々、文芸同志会会員は、それらを知ることがないし、知ろうともしない。それは、団体の一員ではなく、一人の表現者として活動しているからである。もともとその活動は、小説を自費出版したひとを作家として扱い、その存在を世に知らしめることも重要視しているからである。自分も、かつておつきあいで文芸同人誌に寄稿したものを、別に冊子にして「文学フリマ」で販売したところ、少部数ながら出店するたびに、売れていた。山川会員のマンガの評論などは毎回売り切れた。出店で自分の本が売れ、現金を受け取る時の快感は癖になるのである。また、会員の外狩雅巳氏が運営する「町田文芸交流会」で、展示会(会場が販売行為不可だった)を実施したところ、関連本に関心が集まり、後日売れたという事例もある。《参照:文芸同人誌展示会で、閲覧者多く貴重な体験=外狩雅巳》。文芸活動にあたっては、焦点を絞り、個人の出版物をアピールするような作者に役立つ内容があれば、参加者が増えるであろう。

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2021年7月18日 (日)

いま、カミユの「ペスト」を読む「群系」が特集

 文芸評論誌「群系(掲示板」第46号で特集として、「いま、カミユの『ペスト』を読む。」の特集がある。現在進行中のコロナウィルスによるパンデミックのためか、よく売れているそうである。同人による座談会や、異なる視点からのカミユ論や、「ペスト」論が展開され、勉強になる。ただ、自分には手法論として「ペスト」と、メルビルの「白鯨」との構造の類似性に言及がなかったのが、ものたりない面でもある。
 メルビルの「白鯨」は、魔性の巨大鯨であり、船長のエイハブは、捕鯨中に片足を奪われ復讐の念に燃える男である。自分は、カミユファンの友人から、「ペスト」と「白鯨」の小説構造の類似性を教えられ、カミユの作品を読むようになった。まず、「白鯨」話は捕鯨船という海の閉鎖社会であり、運命共同体である。これが「ベスト」のオランという町の閉鎖性にに共通する。乗組員の多様性があるが、みな海の男の気性の良さと荒々しさがある。また、イシュメイルは、うつ病から治りかけの男で、彼の語りは、一人称を超え、飛躍する。また、彼は港の木賃宿で同宿した、黒人系少数民族らしい南太平洋出身の巨漢の銛打ち・クイークェグと出会い、同性愛に近い愛情で交流し、仲間の性格を浮き彫りにするが、エイハブ船長の執念と、「白鯨」の精神性については、いいとも悪いとも言わない。さらに、イシュメイルやエイハブなどの人名は旧約聖書から象徴的に引用されているように見える。
 登場人物で、エイハブ船長を諌める冷静な一等航海士の名は、スターバック、(コーヒ―ショプのオーナーはファンだったのかも)陽気な二等航海士のスタッブなど、.アンのタシテゴなど、多様な人種の乗組員にエイハブの狂気が伝染し、白鯨に報復を誓うのである。「ペスト」も語り手の医師が、曖昧であるので、1人称を超えた話になっている。また、カミユの実存的思想は、メルビルの短編「「バートルビー」を読まずして、かたることは、的をはずずように思う。

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