2022年12月25日 (日)

文芸同人誌「駱駝の瘤」(通信)24号(福島県)を読んで

 五十嵐進「農をつづけながらーフクシマにて2022年秋」は、前回の続きだが、政府は国民をだますのが仕事だなと思う。官僚は公僕のはずだが、我々に非論理的な理屈をおしつける。
その他、フクシマの地元からの原発事故の実態と政府の誤魔化し論理のへの反駁の記事が多い。
 五十嵐英子・評論「トリチウム水海洋放出ビックリ4題」では、原発を稼働させるとトリチウムという放射性物質が、放出される。常時である。ただ、それを除去するには、膨大な費用がかかるので、除去しないことに、国際機関で決めた。そのことの指摘である。原発のある地域では、事故がなくても病気になる人が、他地域より多いのは、現地の人たちは体験で知っている。米国においても、それは同じである。核兵器と原発の原子力産業は、なくすことが必要なのである。
 石井雄二「百日紅のこと」を読んで驚かされた。それは、体調のことで、似たような状況に自分があるからだ。――6月の初め夜中にトイレに起きて、なにがどうなったか、そこで倒れた。その後のことは記憶にないが、自力で階段を這い上がって、妻を呼んだらしい。気がついた時は病院のベッドの中で、救急車で運ばれてそのまま入院となったというーーなにが原因かもわからず、一週間ほどで退院したという。ところが、7月に入って異変が起きたという。食欲不振、不眠、便秘、異常な発汗、体のふらつきなどが次ぎ次と自律神経の不調に、陥ったらしい。痛みはないが、ただつらい苦しいという身の置き所ない感じがつづくという。
 状況が自分とよく似ているので、ほかにも高齢者症状の人がいるのではないか、と思う。自分は、5回目のワクチンを打ってもらって、帰りはバスで帰るつもりでいたが、疲れがひどく感じたのでタクシーで帰宅した。なんなく過ごして、夜寝ていて、トイレに行こうと、立ち上がったつもりが、頭をゴツンと床にぶつけて上がらない。もがいてみるが、立ち上がれない。その物音に気づいた家内が、身を起こすのを手伝ってくれた。やっと立ち上がり、壁に手をあてて立ったつもりが、ずるずると、床に崩れ倒れた。その後は、両腕の腱鞘炎のような痛み。顎関節症で、物を噛むと痛む。難聴、どれも原因不明のまま、生活しているのだ。百日紅は、動かずしずかに咲きますね。

発行所=郡山市安積北井1-16。「駱駝舎」。

筆者=伊藤昭一。

 

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2022年12月18日 (日)

同人誌「澪」20号(横浜市)を読む

  このところ、インフル・コロナワクチンに、慢性症のアレルギー治療などに時間を費やしているのだが、なぜか意欲が出ない。読む約束をしていないのに、相変わらず同人誌が送られてきます。読むつもりがなくても、興味がわくものがあると目を通してしまう。だが、何かを思いを記す気にならない。

  今日は、かなり前にいただいた「澪」20号(サイト参照)を手にした。石渡均の連載映画評論「狂った一頁」(原作・川端康成・衣笠貞之助監督)の多視点からの分析があって、貴重な資料であろう。大正のモダン時代の末期、昭和元年の作品だという。この映画について知識は持たないが、前衛映像作品の象徴的なものらしい。それにして、大正モダンの前衛作品が現代でも、前衛的であるというのは、これらは永遠に前衛でありつづけるのであろうか。このほか同執筆者の「「澪20号に伯父おもう」があって、石渡とういう姓が、行軍で石を並べて川を渡るのが巧みであったことから、つけられたという話が面白い。そのほか「羽田低空飛行路の悪夢(5)」柏山隆基は、哲学者ハイデッガーの技術論と、羽田空港の路線変更の被害を、並論したものである。羽田空港の航路は、その後も変更があったらしく、低空飛行で川崎上空から羽田に向かう機体を目撃して驚いたこともある。哲学的思考については、わからないが、基本は米国との基地協定である。米軍の要求でこうなったのである。同盟国とはいえ、基本的な人権を無視してよいのか、米国人の世論を動かす活動がたりないのである。その他、写真家の鈴木清美、んねんぞうの作品が冴えている。なんといっても、ビジュアルの時代で、国際性があるのがユニークである。また、HPサイトのほか、ー文芸同人誌「澪」のブログー を開始している。(ITO)

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2022年11月28日 (月)

「季刊遠近」80号記念号などで思うこと

  いまだに各地から同人雑誌を送っていただいています。ありがとうございます。今も、パソコンのWIN・11の使い方を動画で見てならっていますが、なかなか覚えきれないです。
  同人誌では「季刊遠近」80号特別記念号を読んでいるところでさまざまトラブルが出てしばらく休むことになりました。かつて当会は、フリーライターのための発行物「文芸研究月報」という文芸情報紙を発行し、会費月四百円を年契約で配布していた。当時は読者から雑誌「文学界」の同人雑誌評への関心が強かったので、評論の対象作品リストを掲載していた。同人雑誌の同人のなかに、作家志望者がいて、作品掲載の雑誌を送ってきて、どのようにして雑誌社に売り込めばよいか、というような相談にも応じていた。また、「文学界」に出ている同人誌への取材をして欲しいという要望もあった。なかに熱心で「季刊遠近」という同人誌はどういうものか知りたい、という人が3人くらいいた。そこで、取材にいき、各人にレポートを送ったような記憶がある。同人誌でも関心の高い低いがあって、「季刊遠近」は高かったようだった。その時に、読者には、文学芸術をするのか、テレビのミステリードラマのような読み物作家に向かうのか、明確にすべし、ということを指摘した。自分は、夜間大学生時代からアルバイで、物書きをしていた。専攻は資本論研究であったが、若者の物書きアルバイト応募者は、文学部が多く、経済学系は珍しかったらしい。そのため、企業の社内報や商工会からの中の依頼があって、その他の仕事との掛け持ちで、授業料はもとより、長男として家の家計の負担もしていた。
  話は前後するが「季刊遠近」90号では、「道の空」の労作に感銘した。もう一つ、三〇代からのうつ病の人生を語った「生きる意味を捨てて」(保坂青水)が、体験記として興味深かった。

 

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2022年11月 5日 (土)

三木露風賞・優秀賞に小山修一氏の詩「なみだのかたち」

小山修一氏の詩(同人誌「岩奨」30号)の作品が第37回童謡コンクール最優秀賞を受賞。(「岩奨」会報「CORE」より)。

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2022年11月 3日 (木)

「茨城文学賞」2022に小説部門で西田さんの短編「死友」(アピ第12号所収)が受賞

 茨城県芸術祭(県、茨城文化団体連合、茨城新聞社など主催)の文学部門実行委員会(河合宏実行委員長)はこのほど、本年度の「茨城文学賞」と「茨城新聞社賞」の受賞作を発表した。文学賞には、小説部門で西田信博さん(66)=つくば市=の短編小説「死友」(アピ第12号所収)など5作品が選ばれ、新聞社賞は網谷厚子さん(68)=龍ケ崎市=の詩集「万籟(ばんらい)」に決まった。

 

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2022年9月23日 (金)

文芸同人誌「六伽士花史(むかしばなし)と「星座盤」を推す

 25日の大阪文学フリマに出店するようなので、文芸同人誌「六伽士花史(むかしばなし)と「星座盤」は、目を推薦します推薦します。「六伽士花史(むかしばなし)は、2号をよんでいますが、軽快な文体で、現代的な新しい時代小説の風を感じさせます。「星座盤」は作品も作品も安定した高い水準を維持しています。現在、腕痛みで、あまり書き込めないので、とりあえず記しておきます。

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2022年8月20日 (土)

水田まり「ピンクのワンピース」が第35回中部ペンクラブ文学賞

 第35回中部ペンクラブ文学賞に水田まり氏の「ピンクのワンピース」(「欅のある家」掲載作)が受賞し、「中部ぺん」誌第29号に作品掲載と選評が掲載されている。●選考委員:清水良典 堀田あけみ 竹中忍。《参照:「中部ペンクラブ」サイト》。今回のノミネート作品は、「being」有吉凛」(「じゅん文学」16号〔名古屋市)/「ポジテfボ」貝谷京予(名古屋市)/「ピンクのワンピース」水田まり〔志摩市)/「竹の家」古永ケイト〔豊橋市)『P.』35号(四日市市)/「モーニング・グローリー」四流色夜空〔名古屋市)/「HEAVEN2020」(名古屋市)/「蛍と石楠化」佐藤駿司〔大津市)(「楽雅鬼」〔大津市)から選ばれたた。同賞の「特別賞」として寺田繁『名古屋の栄さまと「得月楼」父の遺稿から」(鳥影社)が受賞した。《参照:「中部ぺん」29号のグラビア頁
 純文学における言語表現の簡潔性、その反対の微細表現などその芸術性は、WEBのツールでは不可能で、そのことが文学の復権を果たすにちがいない。

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2022年5月21日 (土)

文芸交流会の拡大充実についての抱負=外狩雅巳(投稿)

 町田文芸交流会の拡大充実の為、宣伝と加入促進を行っています。月末の次回会合の案内書に合評作品などを同封し数名の方に送りました。
交流会案内パンフレットの作成に取り掛かりました。現在9名の交流会参加メンバーを二けたにすることから始めます。
参加者が増えたら個人主催の形態を組織に改め役員体制を作ります。
 春の会合に「文芸思潮」の五十嵐勉氏が出席されましたが、単発的な参加でなく常連として寄与してもらうためにも交流会体制を強化充実します。全国でも同人雑誌結社の異なる文芸愛好者の月例交流会はここだけです。個人参加なので一人で作品を書いている人や、同人会の品定めを試みる人も出席できます。
 文芸同志会通信に掲載されれば全国にひろまります。問い合わせも増えることでしょう。案内パンフレット作製も急ぎます。宣伝が第一です。コロナで在宅している文芸愛好者を網羅します。図書館、文学館などにも配布します。横浜県庁に連絡したら県内の連合組織もなく交流会に期待するとのことです。一度、担当部署に行きます。市民文芸の大きなうねりのきっかけになるよう努力します。

《参照:外狩雅巳のひろば

■関連情報=「詩人回廊」・外狩雅巳の庭

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2022年1月31日 (月)

久野治氏の評論・「美濃焼について」を転載

 ワクチンの3回目をすました。結構、だるかった。しかし、コロナ過で死ぬのを覚悟していたら、まだ生きている。先日、文芸同人誌「弦」110号で紹介した久野治氏の評論を転載させてもらうことにした。この評論の特異性は、陶芸品を滋雨にした日本史が語られていることだ。前にも述べたが、今は亡き友人の宇田本次郎氏は、長年、陶磁器の店を経営し、陶器の町へ行っては仕入れをしていた。自分も付き合いで、中くらいのお椀を1万円位で買った。今も即席ラーメンを食べるときには、この椀を使うが、たしかに味がある。かれは、古田織部を題材にした小説を執筆しいた。しかし、いわゆる純文学的書き方で、織部の心理的な側面を描くため、時代の環境をあまり記さない。自分は、もうすこし時代の空気を説明したらどうだろう、と注文をつけると、野暮な奴には、判らないでもいい、と言っていたものだ。それに対し、《参照:評論・「美濃焼について」(1)=久野治・ORIBE研究家》は、じつにユニークで面白い。「弦」の中村編集長の許可を得て転載することにした。久野氏は白寿を迎えているそうで、それを考えると、遊んでいられない感じだ。

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2021年12月 5日 (日)

文芸同人雑誌の動向や展望について、まとまった情報は存在するのか

 文芸同人誌は、本質的に合評会をするので、地域内での活動性が枠があります。そのため、そのすべてをみわたすことが出来にくいでしょう。かつては、雑誌「文学界」に「同人誌評」がありました。じぶんが月報を発行していたころは、評をしていた今は故人の大河内氏、松本道介氏。季刊文科の編集に関係のあった草場氏(現在は草場書房を運営)などから情報を得ていました。考え方は伊藤桂一氏の同人誌観にしたがっていました。詩作品についても、同じでした。思い起こせば、「文学界」に評された同人誌に問い合わせをしたいのと、どんな状況か取材して欲しい、月報の読者からの要求があって、合評会に見学をさせてもらいました。感じたのは、部外者には冷淡で、閉鎖性の強いのが文芸同人誌でした。伊藤桂一氏より、「いいことだから根気よくやりなさい」と言われなければ、対象にしていなかったでしょう。同じことを何度も言っていますが、文芸同志会は、会員が原稿料を得るためには、何をどう書くべきかを模索するものでしたので、同人誌については、出版社に近い同人会とは交流がありました。「砂」という同人誌は、昔は「群像」や「新潮」の編集者とつながりがありました。しかし、それも一時的なもので、縁のある人が亡くなったり、雑誌の編集者が変わったりして、縁も失われきました。ライターの活躍する場も変化し、私自身が高収入の得られた新聞、機関誌の編集執筆に時間を費やすようになりました。自分は後期高齢者ですが、パソコンの教室に通ったことはなく、クライアントの要求で、機器とカメラを用意し、依頼された原稿をワードで書いておくり、請求書にはエクセルの使い方を習っただけです。当時、週刊誌や専門新聞の原稿を引き受ける人を斡旋する団体がいくつかありました。また、ネットニュースの外部記者にも報酬がでました。フリーペーパーから、ネットの食べログのようなお店紹介記事なども増えました。取材原稿料は大変安く、普通のライターはやりませんが、記事を書いて報酬をもらえば、いくら安くても、プロのライターという実績になりました。ネットやツイッターは、執筆者はライターでなく、タダで書いたものをデーターにして、広告費でビジネスにするわけです。時代が違って、隠居して良かったと思います。今は「海」(いなべ市)読み終わり、紹介を書くばかりです。今日も、沢山の雑誌や詩集、エッセイ集が到着しています。おいおい読んでいきます。この辺で、同人雑誌の地域的状況を、知るところを言いますと、三田村さんの「中部ペンクラブ」が、書き手の量と質で、最大のグループでしょう。同人誌同士の連携も強いようです。「季刊文科」は、予約読者の多さと、東京という地域性で、運営会社と編集人、職業作家の執筆の場として存在感があり、有力商業誌でしょう。「全作家」は本部が東京にあり、中部ペンほど同人数が多いようには思えません。雑誌「文芸思潮」は、アジア文化社という会社で五十嵐勉氏が、編集と運用をしているようです。商業誌で、紀伊国屋書店などで買えます。 

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