間島康子さんが、詩集「六月の雨」と随想集「ハユラコ」
間島康子さんが、詩集「六月の雨」と随想集「ハユラコ」を刊行した。おそらく批評専門同人誌「群系」の送付者名簿から送られて来たのであろう。記憶があっていれば、「群系」の樋口一葉の評論に高品質なものを感じていたが、「ハユラコ」には、梶井基次郎の評論があるので、興味をそそられた。梶井は同人誌に発表していながら、すでに文壇で知名度があったというのは、珍しいことであろう。時の流れを現象と心の動きと結びつけて、明瞭に捉える文章が文学の本質の何かを示している。伊豆の川に題材をとっている作品が多いのも、それを示唆している。梶井の本質に沿った評論は多くないなかで、よくそれに寄り添った部分があって、なかなか読めるものが収録されている。《参照:間島康子随想集「ハユラコ」と詩集「六月の雨」》
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