2020年2月19日 (水)

「小説現代」リニューアル発行予定部数は1万部

月刊小説誌「小説現代」(講談社)がリニューアル復刊し、22日に刊行される。長編小説の一挙掲載を軸に、短編小説、エッセー、対談、特集企画など、すべての企画を毎号読み切りとする。雑誌の電子化が進む中で、塩見編集長は「紙の小説誌を読んでもらうために何をすべきかを考えた結果、読者に興味を持った号から手にとってもらえる読み切りスタイルにした」という。
 柴田錬三郎、水上勉、山岡荘八ら当時の人気作家の作品が載った1963年の「小説現代」創刊号の初版部数は21万部。68年には48万5000部にまで達したが、休刊時の2018年には1万部まで減っていた。リニューアル後の発行予定部数も1万部でスタートするが「休刊前には落ち込んでいた実売部数を大きく伸ばしたい」と塩見編集長は意気込む。
リニューアル第1号には少年犯罪を描いた小説で知られる作家、薬丸岳氏の長編「告解」を載せる。罪を犯した青年の葛藤と再生の物語だ。同作は数カ月後には単行本として刊行する。「先に雑誌に掲載することで本の売れ行きが減るのではないかという懸念の声もあるが、むしろ作品を知ってもらうきっかけになると思う。実際、第160回直木賞を受賞した真藤順丈さんの『宝島』は(リニューアル前の)『小説現代』に一挙掲載したことが、作品の魅力を知ってもらう下地作りになった」という。
 失踪者を捜す調査員を主人公とする大沢在昌氏の「佐久間公シリーズ」をはじめ、林真理子氏、朝井リョウ氏らの短編を掲載。石戸諭氏らのノンフィクション、益田ミリ氏のマンガ、お笑い第7世代と呼ばれるトリオ、四千頭身の後藤拓実氏らのコラムにも力を入れる。
  

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2020年1月23日 (木)

「本屋大賞」2020ノミネート10作品を発表

  「本屋大賞」ノミネート10作品を2020年1月21日、本屋大賞実行委員会が発表した。昨年11月1日から今年1月5日まで受け付けた1次投票には、全国477書店、書店員586人が参加。集計の結果、下記の10作品がノミネート作に決まった。
 砥上裕將『線は、僕を描く』(講談社)/早見和真『店長がバカすぎて』(角川春樹事務所) /川上未映子『夏物語』(文藝春秋)/川越宗一『熱源』(文藝春秋)/横山秀夫『ノースライト』(新潮社)/青柳碧人『むかしむかしあるところに、死体がありました。』(双葉社)/知念実希人『ムゲンのi』(双葉社)/相沢沙呼『medium霊媒探偵城塚翡翠』(講談社)/小川糸『ライオンのおやつ』(ポプラ社)/凪良ゆう『流浪の月』(東京創元社)/なお、3月1日まで2次投票を受け付ける。大賞作品の発表は4月7日。(新文化)



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2020年1月15日 (水)

第162回芥川賞に古川真人「背高泡立草」、直木賞に川越宗一「熱源」

 第162回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞に古川真人さん(31)の「背高泡立草(せいたかあわだちそう)」(すばる10月号)が選ばれた。直木賞は京都市在住の川越宗一さんの「熱源」(文芸春秋)に決まった。
「熱源」は樺太に生きるアイヌの人たちの物語
 明治から昭和前期にかけて、帝国日本とロシア・ソ連との間で揺れた樺太(サハリン)に、たくましく生きるアイヌの人たちがいた。川越さんの長編第2作「熱源」は、数奇な史実を導きの糸に、極東の島と欧州を股に掛けて紡がれた壮大な物語だ。「困難な時代、故郷を失った人がどのように生きたのか、想像したかった」
 北海道・対雁(ツイシカリ)村。千島・樺太交換条約(1875年)に伴って移住してきた800人以上の樺太アイヌが暮らしていた。その中のヤヨマネフク、シシラトカ、千徳太郎治の若者3人が物語を動かす。同世代の和人からは「犬」呼ばわりされ、学校では「野蛮なやりかたを捨てて、開けた文明的な暮らしを覚えましょう」と説かれる日々。悩みながら三者三様、自らの生き方を選んでいく。
 時を経て3人は生まれ故郷の樺太で再会する。そして、祖国を失ったポーランド人の流刑者ブロニスワフの人生と交錯していく。「ロシア皇帝暗殺を謀った罪で流され、やがてアイヌの生活を記録することになる文化人類学者。しかも、その弟は後にポーランドを建国するヨゼフ・ピウスツキ。そんな魅力的な人物から、北半球をつなぐ物語の構想が膨らんだ」と明かす。
 アイヌの3人も実在の人物。ヤヨマネフク、シシラトカは犬ぞりの手腕を買われて南極探検隊に加わった。太郎治はブロニスワフとともにアイヌの学校を設立した教育者だ。「終盤は南半球の端まで展開する。少し風呂敷を広げすぎましたね」と苦笑いするが、軸はぶれない。大国に挟まれた「あわい(間)」に生きる人々への優しいまなざしだ。
 主役が入れ替わりつつ進行する。一つの「正義」を絶対視せず、「いろんな視点から、それこそ群盲が象をなでるように、人々の営み、歴史をあぶり出していきたい」から。民族意識や自尊心、排外主義、差別…。「異なる背景の人たちが、同じ共同体で暮らしていくには、どんな想像力が必要なのでしょうか」と語る。読者は、遠い土地、遠い時代の話に耳を傾けているつもりが、ふと、この国の現在に投げ掛けられている問いに直面する。(京都新聞1月15日)

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2020年1月11日 (土)

中断された徳田秋声の小説「縮図」がタイツ柄に

  明治から昭和初期に活躍した文豪、徳田秋声(1871~一1943)の最後の長編小説が今年、女性用タイツの柄となり、パリジェンヌの脚元を彩る。「都新聞」(現在の東京新聞=中日新聞東京本社)で連載された「縮図」。太平洋戦争が迫り、言論統制で中断された未完の代表作だ。秋声の生誕百五十年を控え、出身地の金沢市の会社が当時の連載小説をプリントしたタイツを商品化、パリでの本格販売に乗り出す。(前口憲幸)

《東京新聞1月6日付ーパリジェンヌの足元に「都新聞」 言論統制で中断された徳田秋声の小説がタイツ柄に

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2020年1月 9日 (木)

丸善ジュンク堂書店が2019出版社別売上げベスト300発表

 書店の丸善ジュンク堂は、2019年の出版社別売上げベスト300を発表。トップ10は、1位講談社、2位KADOKAWA、3位集英社、4位小学館、5位新潮社、6位学研プラス、7位ダイヤモンド社、8位文藝春秋、9位岩波書店、10位幻冬舎で、前年と同順位となった。11位に朝日新聞出版、12位が宝島社、13位が河出書房新社など。上位100社のうち、もっとも伸長したのは『こども六法』がヒットした97位の弘文堂(前年118位)で、金額ベースで前年比25.14%増となった。次いで、62位かんき出版(前年87位)が同23.85%増。3位集英社も同18.64%増と大きく伸びた。(新文化)

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2019年12月16日 (月)

第162回芥川・直木賞の候補作

日本文学振興会は第162回芥川・直木賞の候補作を発表した。計10人のうち7人が初のノミネートで、新鮮な顔ぶれになった。選考会は来年1月15日、東京都内で開かれる。
 芥川賞は、5人中3人が初顔になった。哲学者の千葉雅也さんが初めて発表した小説で候補に入った。作品は同性愛を扱った内容だ。木村友祐さんは2009年にデビューし評価を高めてきた書き手で、作品は英訳もある。乗代雄介さんは18年に野間文芸新人賞を受賞し、期待される新鋭。最多4回目の古川真人さんは独特の作風で知られ、前回から連続になった。5年ぶり3回目の候補となった高尾長良さんは医師でもある。
 直木賞は、唯一の女性となった湊かなえさん以外が全て初候補となった。湊さんは本屋大賞や山本周五郎賞を受賞しているほか、18年には米国・エドガー賞にもノミネートされた実力者。小川哲さんも前作で山本周五郎賞と日本SF大賞をダブル受賞。誉田哲也さんは警察小説で人気を集め、映像化された作品も多い。川越宗一さんは自身2作目で候補入りした注目株。呉勝浩さんの候補作は、無差別銃撃事件を題材にした話題のミステリーだ。【須藤唯哉、大原一城】 (毎日新聞・12月16日ーより。)
芥川賞=木村友祐(49)「幼な子の聖戦」すばる11月号=初/高尾長良(27)「音に聞く」文学界9月号=3/千葉雅也(41)「デッドライン」新潮9月号=初 /乗代雄介(33)「最高の任務」群像12月号=初/古川真人(31)「背高泡立草」すばる10月号=4。
 直木賞=小川哲(33)「嘘と正典」早川書房=初 /川越宗一(41)「熱源」文芸春秋=初 /呉勝浩(38)「スワン」=KADOKAWA=初 /
誉田哲也(50)「背中の蜘蛛(くも)」双葉社=初 /湊かなえ(46)「落日」角川春樹事務所= 4 。※名前、年齢、候補作、候補回数の順
※50音順、敬称略。年齢は選考会当日現在 。

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2019年11月23日 (土)

文学フリマ東京(24日)は雨のイベントになりそう

 「文学フリマ東京」は、雨の予報が出ている。文芸同志会は《第29回文学フリマ東京 11/24日 出店NO「ニー12」で》出店する。本を自分で運搬するので、防水対策をこれからする。一度の出会いの人に興味をもってもらうために、ブース全体のポリシーは「役に立つ評論」と北一郎の詩集である。フリーマーケットのユーザーの反応をみて本を作っていたら、自然にそうなった。もともと、経済学と社会学の系統なので、世界情勢のなでの日本文学ということになる。現在の、世界の国情の不安定さの要因は、人口の増加と大資本力なので、そこを含めた理論と、地域の町工場の持続可能な社会へ向けた町工場のドキュメント。これは書かれた企業も納得の記録である。同人誌に合評会が不必要なやり方の見本である。また、フェイクニュースの時代の「真実と事実」の関係、詩でありながら、小説になっている「北一郎詩集」などーー。これから、短い説明書きを書いて出店に張り出す予定です。

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2019年10月29日 (火)

根津メトロ文庫が廃止へ

東京メトロ千代田線根津駅に設置されたミニ図書館「根津メトロ文庫」が、撤去されることが決まった。SNS上では惜しむ声が相次いでいる。  根津メトロ文庫は1989年、根津駅に設置された。車両を模したボックスに駅利用者が本を寄付し、駅員が確認したのち、自由に借りることができる。地下鉄>(東京メトロ)の広報担当者は19年10月28日、J-CASTニュースの取材に、設置の経緯を「当時、お客様サービスの観点から飾り付けやイベント等を実施しており、その中の取り組みの一つとして設置しました」と話す。直近の蔵書数は約200冊で、1日5~10人ほどが利用しているという。
しかし19年10月ごろ、駅に「近々撤去する」との張り紙が掲出され、ツイッター上で「かなしい...高校の思い出...」「結構マニアックな本もあり、学生の頃は特に結構お世話になりました」「ファンも多いので、保存のためのクラウドファンディングや寄付が集まりそうですが...」と残念がる声が多数書き込まれた。
「設置当初の役目は終えた」東京地下鉄の広報は、撤去理由を「老朽化が進み、安全管理が難しくなってきました。時代が変わる中で、ご利用になるお客様も減少しましたので、設置当初の役目は終えたと判断しました」と説明する。現時点で撤去日は未定。利用者からは、同社の関連公益法人が運営する「地下鉄博物館」に展示してほしいとの声もあるが、撤去後の活用方法は決まっていないという。惜しむ声については「そういった声を頂けるのは大変ありがたい事で、長い間ご愛顧いただきありがとうございました」と感謝した。 

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2019年10月 7日 (月)

芥川賞作家の目取真俊氏の国への損害賠償訴訟、控訴棄却される

  芥川賞作家の目取真俊氏が、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に対する抗議活動をしていた際に、米軍と海上保安庁に不当拘束されたとして国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が7日、福岡高裁那覇支部であった。大久保正道裁判長は8万円の賠償を命じた一審那覇地裁判決を支持し、目取真氏側の控訴を棄却した。
 判決によると、目取真氏は米軍に約8時間拘束された後、海上保安官に引き渡された。大久保裁判長は一審同様、引き渡しは遅くとも2時間以内にできたとして、「海上保安官には、身柄を直ちに引き受けなかった違法がある」と判断した。米軍による拘束の違法性は認めなかった。
 目取真氏は判決後に記者会見し、「海保が来るのが遅ければ、米軍はいつまでも身柄を拘束してもよいのか問われるべきだ」と訴えた。
 判決などによると、目取真氏は2016年4月、辺野古沿岸の制限区域にカヌーで侵入したところを、米軍に拘束された。 【時事通信社】

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2019年9月24日 (火)

新潮新人賞の第52回から選者に又吉直樹氏

  第51回新潮新人賞(新潮社主催)に中西智佐乃さんの「尾を喰う蛇」が決まったと発表した。賞金50万円。中西さんは昭和60年、大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。現在は会社員。今回の応募作品は1972篇。選考委員の各選評は、10月7日発売の「新潮」11月号に掲載する。新潮新人賞は、公募による純文学の新人賞として定評がある。昨年受賞した三国美千子さんの「いかれころ」はその後、三島由紀夫賞も受けた。選考委員は5人で、第52回からは芥川賞作家でお笑い芸人の又吉直樹さんが選考にあたるという。

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