文芸同人誌「六伽士花史(むかしばなし)と「星座盤」を推す
25日の大阪文学フリマに出店するようなので、文芸同人誌「六伽士花史(むかしばなし)と「星座盤」は、目を推薦します推薦します。「六伽士花史(むかしばなし)は、2号をよんでいますが、軽快な文体で、現代的な新しい時代小説の風を感じさせます。「星座盤」は作品も作品も安定した高い水準を維持しています。現在、腕痛みで、あまり書き込めないので、とりあえず記しておきます。
25日の大阪文学フリマに出店するようなので、文芸同人誌「六伽士花史(むかしばなし)と「星座盤」は、目を推薦します推薦します。「六伽士花史(むかしばなし)は、2号をよんでいますが、軽快な文体で、現代的な新しい時代小説の風を感じさせます。「星座盤」は作品も作品も安定した高い水準を維持しています。現在、腕痛みで、あまり書き込めないので、とりあえず記しておきます。
文学愛好者のプロ・アマ作品の即売会「文学フリマ」事務局が事務局が(一社)の法人化。コロナ禍のなかで、よく前進させたものだ。これがなければ、自分は、まだ参加していたのに。いま、パソコンの交換で作業が遅れ気味です。《参照:文学フリマ事務局が法人(一社)に!代表理事は望月氏》
【「サイレント」小路望海】
ITサービス企業に務める奈月の勤務中に母親から、いとこの匠が転落したという連絡を受ける。そのことと、社内の田部井という男が、課長ら仕事ぶりを批判される様子が記される。次の章では、また母親から匠が、集中治療室からでられたという連絡がくる。田部井は相変わらず課長に叱られている。このような形式が続く。登場人物が、奈月、母親、いとこの匠、早川課長、田部井社員、同僚の理央、吉松課長などがいる。短編で、こんな大勢が出てきてどんなテーマの話ができるのが、自分には難しすぎて理解できなかった。
【「白磁の壺」寺田ゆう子】
夫の経営する義母が白磁の壺を大切にしていた。妻のきり子は、義母への夫の想いに嫉妬して、その白磁の壺をわざと割ってしまう。しかし義母は怒らない。妻は、いつか深く謝ろうとおもっているが、機会を失う。そのうちに、義母は入浴中に自然死してしまう。――なるほど、短いのにテーマ性があって、悪くない。
【「ロッキー定食」長月州】
中日新聞にある300字小説公募用に書いたものという。他人に読ませようとして創作する意思は立派。もう少しの頑張りであろう。
【「生かされた子ども」松本順子】
太一という子供を囲む環境をめぐって、ミステリアスな事件を描く。小説を書き慣れてしまい、工夫しすぎてかえって下手になるようで、その見本のようなもの。話がわかりにくい。
【「陰画夜話―勝手に邪推」松蓉】
いろいろな話があるが、3番目の「鬼才犯科帳」の画家のカラヴァッチョの犯罪歴の話が一番面白かった。
【「ロマンンスの影」峰原すばる】
心臓疾患のある村上彰子は、コロナ禍で、会社をやめる。次に外国人のマルセルとの関係。女性と外国人との恋愛と投資話の絡み合いで、推理する余地の多い作品。物語として散漫で面白くは読めない。
【「殺意」霧関忍】
亜梨紗の情念の世界を描く。涼という人間が、女性か男性かはっきりしないまま話が進むが、何か隠しながら語りが進むような形式が、ここでは興味をそぐ。
その他、本号では、コミックの文章化をしたような作品も見受けられ、時代の変化を感じる。
発行所=〒460-0013名古屋市中区上前津1-4-7.松本方。
紹介者=「詩人回廊」北一郎
【「『東海文学』のことどもから(13)」三田村博史】
地域の有力同人誌であった「東海文学」にまつわる文壇人脈から、作家、編集者の関わり合いを記す。特に音楽家の坂本龍一の実父である編集者故人・坂本一亀に関する逸話、雑誌「作品」や「海燕」の編集者の寺田博しなどの、関係の経緯が記されている。文芸雑誌は、編集者でその個性が発揮される。であるから、本稿での文芸同人誌「東海文学」が、どうかかわって、どのような経緯で、文壇編集者との関連が絶たれた様子には、興味深い深いものがある。基本的に、商業文芸誌と文芸同人誌は、編集時の意図が異なるのでなるので、文学的であるいうことでの類似性を過大に評価するのは、適切でないと思う。そうした事情も読み取れるのでよい資料である。
【「闇を透かす」本興寺 更】
江戸から東京へ、移行したばかりの時代。あまり描かれない時期の時代小説である。時代考証もきちんとしている。武士の娘であるお紗登と、武士精神が抜けない父親の存在と、母親などとの家庭の調和を軸に、彼女に起きる出来事を描く。時代考証など、相当調べて調べあるのであろう。せっかくだから、この時代をうきぼりにして、若者向けに、転換期の姿がよく理解できるような解説書を書くような意図をもったシリーズにしてみたらどうであろう。プロデューサーが欲しいところだ。
【「バタフライ・ガーディン」西澤しのぶ】
弟は、小学生一年生で、私は六年生。町内会でアサギマダラという蝶のくるようなバタフライ・ガーディンを作る集いがあることを知る。その集いで知り合った茶髪の子が、大人から虐待をうけているようなのだ。そこで警察に電話して、詳しい事情がわかる。子供の視点で、アサギマダラ蝶の謎を啓蒙する意味のある短編。
【「おれたちの長い夏」朝岡明美】
昔、高校の吹奏楽部の仲間たちが集まって、思い出話をする。
---その他、「ずいひつ」欄が-文芸時評や高齢者の生活ぶりを記したのが、身に迫って興味深い。
発行所=〒477-0032東海市加木屋町11-318,三田村方、文芸中部の会。
紹介者=「詩人回廊」・北一郎。
朝日カルチャー小説教室(東京)の同人誌である。
【「三日月の下で」えひらかんじj】
都内の病院の院長をしている曽根哲夫は、病院にトラブルがあって、一時的に院長をしている。彼は、ここの問題解決課題と、自分自身の作家として小説刊行の準備中である。医師業をやめて作家に専念したい気持ちだが、なかなか難しい。その事情を具体的に、疑似私小説的に描かれており、面白く読める。同人雑誌らしい作品といえる。
【「水戸の桜」根場至】
商社マンであった聡の父親は、単身赴任の海外勤務が長く、息子とは会うことが少なく、帰郷してきた時には、よその小父さんでしかなかった。その関係が続いたまま、父親は日本の原発事業に関わる仕事につく。そして福島原発事故が起きる前に、寿命を終える。被災地の人の語る「原発は魔物。みんな犠牲者だ」という言葉に、父親もそうなのか、と思うが、これまでもっていた反感は消えない。ーーこいうこともあるのか、と家庭の事情がわかる。しかし小説にするための「水戸の桜」の逸話とは融合していない。それでも、印象深い話である。
【「腹が空いた」杉崇志】
源田光男という男の人生と家庭環境を描いたものらしい。彼の父親との人生の周辺と家庭環境に的を絞り描かれている。各部分はよくかけているが、それが全体として、それをどう受け止めればよいのか、わかりにくい。文章力はあるが、テーマと問題提起に工夫が必要に思試作品試作品のようでもある。
発行人=〒364-0035埼玉県北本市西高尾4-133,森方。
紹介者=伊藤昭一。
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