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2022年4月16日 (土)

文芸同人誌「駱駝の瘤通信」第32号(郡山市)

【<扉の言葉>「ワクチン接種」-社会のため?」五十嵐進】
 毎号、社会の動向に問題提起をする言葉が、簡潔に記されている。ここでは、NHKの「日曜討論」で、ワクチンに関する討論で、音喜多俊議員(日本維新の会)が、「(ワクチン)を接種することは子ども自身のためというより社会のためという側面がある」発言されたそうだ。その議論はスルーされたことへの、意識の低さを指摘している。ここで五十嵐氏が指摘するのは、自分自身のため、その延長として自分の子どもへの親の判断で、行われている筈であるという論理が展開されている。たしかに「社会、会社、家族のため」という論理は、個人の自由を抑圧するものがある。こうした発想の先には、国家のためという論理につながってしまう。国家というのは、国民と称して構成員を全体化する概念である。国民より優先する存在になる。しかし、われわれは諸国民の一人であり、その権利を維持するために、国家を形成する。政府の言う「国民」と、諸国民としての個人を優先する発想の違いを考えさせる。
【随筆「ハンセン病雑感―三―②」武田房子】
 ハンセン氏病にかかわる「韓国訪問記録」で、現地の雰囲気が表現されている。
【「農をつづけながらーフクシマにてー“22年早春『情報開示請求―野池元基氏の仕事』」五十嵐進】
 本作で、野池元基氏が、国策として福島原発事故の復興のために、広告代理店「電通」が、国民の所得税から徴収しつづけている復興税のなかから、どのような使い方をしているか、という実態を「情報開示請求」で問題を明らかにしている。動画(YouTube)であるので、それを五十嵐氏が、なぞる(文字おこし)ことをしたものである。ネット動画の文字おこしは、自分も幾度か挑戦したが、これほどきちんと出来たことはない。その価値を考えて、暮らしのノートITOに転載させてもらう許可を得、掲載することにした。《参照:野池氏の「情報開示請求」(1)「駱駝の瘤通信」で五十嵐氏の解説》。当初は、一部抜粋にしようと思ったが、世間的に分かりやすく記されているので、区切りを入れて連載し、全文掲載することも考えている。電通は巨大であるため、子会社、別会社さまざまな組織をもっており、その全容は、なかなかわからない。ただ、施政者が「オリンピック」や「国民投票」などのような、国家総動員的な方向を打ち出すときは、巨大組織を活用しようする。原発事故の「心の汚染」をするなどは、その一部の活動に過ぎない。さりげなく、生活のなかの心のすきまに自然に入り込んでくる。だから広告代理店なのである。
【「福島の核災以後を追う(七)―2021年9月から22年1月までを中心に」澤正宏】
 ロシアのウクライナ侵攻で、原発施設がチョルノービリ(チェルノブイリ)原発をロシア軍占領し、事故原発の危機管理について課題が見えてきた。国内外の原発動向を記録した労作である。
【「服部躬治関係書簡6続々―自転車に乗るより江」磐瀬清雄】
 服部躬治(1875-1925)は、福島県出身の明治-大正時代の歌人で、新派和歌運動に活躍したらしい。
発行所=郡山市安積北井1-161、「駱駝舎」
紹介者=「詩人回廊」編集人・伊藤昭一。

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