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2022年2月15日 (火)

人間と動物との違いは、仲間をいじめること、言葉が話せることだけか?

 親友であったK氏の遺稿というか、残された彼の記録がパソコンに残っていたので、それをまとめたものが、《参照:「操り人形」という自伝を残した男(1)ー(8)》である。これは、まったく自己表現の作品で、読んでも面白くはないであろう。自分は遺稿として扱って、同人誌に掲載したものである。これも同人誌の存在するよさせあろう。なぜ彼が、「操り人形」としたタイトルの意味は分からないが、彼の原稿の書き起こしをしているうちに、自分も、他の誰もが社会の「操り人形」に過ぎないのではないか、と思えるようになたった。後から、語られると思うが、彼は推理小説雑誌「宝石」で、江戸川乱歩に気に入れられ、新人25人衆という特集に、笹沢佐保と同時に作品を掲載している。江戸川乱歩が亡くなってしまったので、その後は生活のための会社経営に時間を取られて、作家として世に出ることはなかった。自分は18歳のころに、彼の家に近い呑川の近くに転居したが、K氏の存在を知らなかった。19歳の頃に、職業作家の主婦とそのご主人(直木賞候補になったこともあり、井上靖と親しかった)の生き甲斐造りを目的とした生活日誌的同人誌グループに参加した。そこで、後からK氏が参加してきたので、その時に、紹介されお互いに家が近いことを知った。そのSという作家については、後に自分の見合い結婚の仲人をしてもらった。夫妻はすでに亡くなっているが、遺族から過去の活動につて、一切明らかにしないで欲しいと言われているので、詳しくは語れない。ところで、そこで知り合ったK氏と、行動を共もすることが多かった。彼とは蒲田駅までタクシーを使ったが、通りで空車タクシーを待っていると、近所で子供遊びをしていたガキが「やあい。変な奴がいるぞ」と、道端のゴミを投げ受けるような仕草をしたものだ。黙って無視したが、人間というのは、生まれながら本能として、異形ものを差別する存在であることを実感した。現代は、ツイッターで他人を誹謗中傷する人間が多くいるが、それは本能的な幼児性のなせる業であろう。

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