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2022年1月27日 (木)

文芸同人誌「弦」第110号(名古屋市)

【評論「美濃焼について」久野治】
 陶芸の話だが、美濃焼という陶芸の伝来の歴史を、斎藤道三から信長、「楽市楽座」の舞台を経て、有名な古田織部という武将の話を挟んで、短く分かりやすく、まとめている。自分の亡くなった友人が、陶芸品の店を経営していて、古田織部の生涯に拘っていたのを記憶している。しかし、こうした焼き物を話の中心において、戦国武将の周辺を語るという歴史物語したのは、混乱した話のあやを新鮮な形での表現として読めた。「瀬戸六作」と「織部十作」との関係。特に加藤卓男の研究で、ペルシャ、ペトナム、日本の陶芸文化の関係を明らかにしようとしたという話は、専門外の自分には新鮮である。この掲載誌の「弦」(公式サイト)で読めるので、関心のある人は、サイトで読むことができる。久野治氏には著書「古田織部の世界」がある。
【「いろは丸の沈没」白井康】慶応年間、幕末の混乱のなかで、土佐の海援隊の「いろは丸」が乗組員のミスで、紀州藩の蒸気船「明光丸」と衝突し沈没。その後の幕末志士たちの、駆け引きが面白い。
 その他、小説類は富裕層の老境や、人生航路を描いたものがある。
紹介者=「詩人回廊」編集人・伊藤昭一。

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