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2021年2月27日 (土)

モダンと世界共通テーマのポストモダン

 さきに紹介した「海」102号(いなべ市)で、ポール・オースターに凝る同人誌作家の話があるが、菊池寛の作家になるための基礎的な学習の手引きには、米国文学として、ポーしか取り上げていない。《参照:菊池寛の海外モダン文学作家案内<ポオ>米国的でない作家》。その事情を推察すると、この時代、昭和13年頃は、日本が中国、満州の傀儡政権を維持しようと、中国での権益確保の進軍をしている時に、それを批判し(米国にも権益をよこせという言い分)で、日本に石油禁輸制裁をかけ、日米対立が激化していたときだからであろう。米国は反日の精神が旺盛で、韓国にやさしい。原爆を落としたことへの後ろめたさで、日本を正当化できない。そうしたら原爆を投下した正当な理由を失うからだ。言い訳の精神であろう。日本が敗戦し世界大戦が終わると、日米で戦争をテーマにした小説家が多数出た。そこから文学が世界共通のテーマを持ったということになる。世界文学の共通テーマが失われた後に、哲学がポストモダン移行したのであろう。米国作家でフォークナーとヘミングウェイがノーベル文学賞をもらっているが、二人ともアメリカ人精神の空虚さを批判しているのは、共通している。

 

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