総合文芸誌「ら・めえる」第81号(長崎市)(3)
【「韓国カトリック教会の起源に関する一仮説」李世勲】
歴史的な日本の隠れキリシタンの存在は、歴史的な事実として、学校の教科書にもある。が、そこに朝鮮半島の人達が、殉教していたことは知らなかったので、大変驚いた。今後の研究がさらに進むことを期待して、暮らしのノートITOに内容の一部を紹介してみた。《参照:韓国カトリック教会の起源の探求(1)李研究員講演録から》
メディアでは、ニュースの素材として日韓関係の歴史的事実を利用して、感情をあおり両国が、金儲けと政治的な勢力を、広げているとしか感じない。メディアは、世論としているが、歴史的な事実を正しく理解しない人々が、いつでもどこでもいるもので、おそらく感情的な楽しみの材料なのであろう。戦後の日韓基本条約締結は、米国の命令によるもので、朝鮮半島統一してからの課題が、偏った形になった、すべて米国に責任があると思うが、人間の意識は時代によって変わるので、仕方がない。せめて、歴史的な事実だけは記録に残しておきたいものだ。
【「宇沢弘文教授のこと」長島達明】
自分の学んだ大学の経済学部は、入学時はマルクス経済学だけであった。もともと、左翼思想による世界経済史を学びたかった。だから資本論だけを研究し、他はシュンペーターを読むくらいであった。しかし4年目ごろから、就職試験が近代経済になるというので、ケインズやガルブレイスを自主的に、にわか勉強したのを覚えている。宇沢弘文教授の理論的な持論は知らなかったので、大変面白かった。
【「餘録-語りたい歴史の裏(2)戦火逃れた維新当時の長崎」木戸千恵弘】
長崎奉行と言えば、岩波新書の「犯科帳」を読んでいるが、幕府の直轄であったために、資金が豊富蔵置してあり、その金の行方などが記されていて、大変面白い。時代小説のを志す人には、良い素材であろう。
発行事務局=〒850-0918 長崎市大浦町9-27「長崎ペンクラブ」
紹介者=「詩人回廊」編集人・伊藤昭一。
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コメント
総合文芸誌「ら・めえる」81号の紹介・批評の文章を3回も載せていただき、感謝しています。本誌は総合文芸誌と銘打っていますように、文芸の幅を広げて、歴史や経済や生活の評論まで含めています。また、「暮らしのノートITO]にまで掲載して頂き、有難く思っています。伊藤様が大学は経済学部卒と知り、成る程、と思っています。
投稿: 新名規明 | 2021年1月30日 (土) 19時07分