「茶話歴談」第3号(大阪府)
関西の歴史小説の創作者たちが執筆した、十編の歴史・時代小説集。この前の第2号を送付していただいたが、どういう風に紹介しようか、思うところあって、別扱いになって、取り置きしたままになってしまっていた。そこで、今回の3号の紹介に、物語の出だしの部分だけを、写しておきました。ほとんどが、場面から始まっています。現代は、物語化で情報が伝わる時代です。おおいに参考にして欲しいものです。
【天狗斬りの乙女」真弓創】
柳生宗厳から岩を両断する秘剣を学ぶ少.女、明音の仇討ちの顛末。
~~まだ紅葉もはじまってないのに、天乃石立神社にはすでに冷気が漂っている。山深くに作られ、このひと気のない神社の境内で一人稽古を行うのが柳生宗厳の日課だった。~~
【「「義時廻事 ―I will kill you, must go on―」黒嵜資子】
幾度も同じ時を繰り返し朋友を殺し続ける江間義時の受難。
~~二俣川の河原は遠巻きな蝉の声に包まれていた。~~
【「厩戸皇子の遺志を継ぐ者たち」有汐明生】
塩厩戸皇子の孫を引き取り、蘇我入鹿に仕えた忍びの受難を描く。
~~吾は語部、名は稗田阿礼という。28歳のとき天武天皇により、皇家の歴史を暗唱することを命じられた~~
【「老将が夢」都賀久武】
雪見酒の最中、かつて駆けた戦場に思いを馳せる。
~~春だというのに館の塀越しに見える信州の山々にはまだ雪が残って見えた。老将は手酌で時期遅れの雪見酒をすすりながらかつての戦いを思い出す。~~
【「浮き草の流れ行く如く」霧山文三郎】
南北朝の争いに翻弄され、若き命を散らす歌人の親王を描いた。
~~将軍足利尊氏は、執事の高師直を伴い、しかめ面をして無言のまま、長い廊下を家臣を待たせる書院へと歩いて行く。~~
【「青嵐早春賦~新選組を生きるー」丹羽志朗】
幕末動乱を全力疾走で生きた若者、天の育弄と別れ。
~~遅咲きの桜も終わり、遠くに望む野山に青葉若葉が萌出る頃である。~~
【「謙信、心ときめき」山岡優作】
人の情欲を捨て、軍神たらんとした男の葛藤劇。
~~天文10年(1951年)の冬。落ち葉が舞い散り乾燥した冷たい風が吹きすさぶ曹洞宗林泉寺の境内。~~
【「蒼弩に挑む」天河発】
日本で初めて空を飛んだとされる「鳥人」浮出幸吉の生涯。
~~初老の男が一人、丘の上に立っていた。向い風に煽られながら、晴れ渡った青空を眺めている。~~
【「ヒール役はお好き?」まつじゅん】』
忠臣蔵のヒール役・吉良上野介を主役にした作品を紹介するコラム。
【「鬼の道」朝倉昴】
武田家の軍師・山本勘助の執念の奇策が川中島に展開される。
~~こほっ、こほっ。咳とともに御料人様の口もとが、朱に染まった。~~
発行所=〒573-0087大阪府枚方市香里園山之手町13-29、澤田総方、朝倉昴。茶話歴談編集部。
紹介者=「詩人回廊」編集人・伊藤昭一。
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コメント
さっそくご対応いただきまして、まことにありがとうございます。しっかり修正されております。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
投稿: 茶話歴談編集部 | 2021年1月 8日 (金) 12時36分
申し訳ありません。ご指摘のところ修正したつもりです。今後、お気づきの点、指摘いただければ幸いです。
>茶話歴談編集部さん
>
>私たちの作品を取り上げていただき、まことにありがとうございます。手売りや口コミが難しい昨今、ネットでこうしてご紹介いただけることを大変ありがたく感じております。
>
>作品名ですが、下記3作は正しくは以下の表記となります。
>【「天狗斬りの乙女」真弓創】
>【「義時廻事 ―I will kill you, must go on―」黒嵜資子】
>【「厩戸皇子の遺志を継ぐ者たち」有汐明生】
>よろしくお願いいたします。
投稿: ITO | 2021年1月 8日 (金) 12時33分
私たちの作品を取り上げていただき、まことにありがとうございます。手売りや口コミが難しい昨今、ネットでこうしてご紹介いただけることを大変ありがたく感じております。
作品名ですが、下記3作は正しくは以下の表記となります。
【「天狗斬りの乙女」真弓創】
【「義時廻事 ―I will kill you, must go on―」黒嵜資子】
【「厩戸皇子の遺志を継ぐ者たち」有汐明生】
よろしくお願いいたします。
投稿: 茶話歴談編集部 | 2021年1月 8日 (金) 12時11分