黙していた体験を語らせる写真
NHKの番組を見ていたら、長崎原爆後の有名な写真の細部を調べるものがあった。《参照;「焼き場に立つ少年」は、目鼻に出血痕跡!TVNHK番組》。そこで、焼き場に立つ少年に関する情報をえようと、幾人かの当時を記憶する年寄りに写真を見せるところがある。「これは、いままで誰にも言わなかったことだがー」と、両親を原爆で亡くしたあとの孤児から生活を立てなおしたらしい人が、親類に関する話を語った。おそらく、誰かに尋ねられても、まず、語ることのないつらい記憶であったのだろう。ただ、写真の少年の姿、表情が、言うに言えない情念をかきたて、語る気になったのだろうと思う。人間の語れる範囲のことは、限られていることを思い知らされた。
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