「2020年本屋大賞」の「流浪の月」(凪良ゆうさん)無観客発表会
全国の書店員が選ぶ「2020年本屋大賞」が凪良(なぎら)ゆうさん(47)の小説「流浪の月」(東京創元社)に決まった。凪良さんは昭和48年、滋賀県生まれ。現在は京都市在住。平成18年に中編小説「恋するエゴイスト」が雑誌に掲載され、翌年出版された「花嫁はマリッジブルー」で本格的に作家デビュー。男性同士の恋愛を題材にしたボーイズラブ(BL)小説界で十数年にわたり活躍してきた。今回、一般文芸作品で初の単行本となった「流浪の月」で賞を射止めた。
受賞作は、誘拐事件の被害者とされた小学生の少女と加害者として断罪された男子大学生の「その後」を描く。互いに深い傷を抱えたまま大人となり、15年の時を経て再会した2人の姿を通して、世間からは理解されない痛切な真実を浮かび上がらせる。東京創元社によると、昨年8月の刊行で、累計部数は36万部。
2位は小川糸さんの「ライオンのおやつ」(ポプラ社)、3位は砥上裕將(とがみ・ひろまさ)さん「線は、僕を描く」(講談社)。翻訳小説部門は韓国の作家、ソン・ウォンピョンさんの「アーモンド」(矢島暁子訳、祥伝社)に決まった。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、今年の発表会は受賞者や報道関係者も出席しない無観客で実施。発表会の様子を撮影した動画が7日午後に大賞の公式サイトで配信された。
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