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2020年1月 8日 (水)

小河原範夫氏が、全国同人雑誌会議(2019)を報告

 文芸交流会の外狩雅巳氏から同人誌「ガランス」第27号が送付されてきた。なんの意味かと、ページを繰ってみたら、なかに「全国同人雑誌会議に出席して」(小河原範夫)という、レポート掲載されている。なかなかよくまとめられたレポートで、イベントの概要を知ることがでる。そのうちの関連のある話で、シンポジウムがったそうである。「現在の問題と同人雑誌の新たな結合に向けて」というてーまで、パネラーに「季刊文科」誌の編集委員の勝又浩氏、「三田文学」誌の久村亮介氏を迎え、同人誌運営者側からは、「飛行船」誌の竹内菊世氏、「群系」誌の永野悟氏、「ガランス」誌の小河原範夫氏が出席したとある。以下部分を抜粋させてもらうと、--(冒頭に、勝又氏より、同人雑誌は日本独自の文学スタイル。530団体あったが現在は半減している。若者のウェブ利用の影響による。久村氏より、同人雑誌評は現在文學界のあとを引き継いだ三田文学、文芸思潮、季刊文科、図書新聞、週間読書人の5団体で行われている。しかし、評者の年齢層の違いと思われるが、取り上げる作品の評価が分かれ、5団体で評価が重なるのはmパーセント程度という報告があった)。次に、五十嵐氏の司会進行で、パネラーの各同人雑誌主催者並びに会場の出席者から様々な意見が出された。主な意見を要約すると、

①中部ペンクラブより、各地区・ブロックで組織を作り、各地区で文学賞などを設けたらどうか。中部は35年かけてブロック作りをしてきた。

②町田文芸交流会から地域における各団体の交流の提案があった。現在、相模文芸クラブ、民主文学・町田支部、群系の会、みなせ文芸の会、文芸同志会、秦野文芸同人会の5会と個入で運営している。

③同人雑誌の全国組織を社団法人として作ったらどうかという意見が出されたが、事務局の運営や経済的な裏付けなどで議論が紛糾し、議決を取ったがまとまらず、宿題事項となった。

④現状路線で行くにしても、どこの団体も次世代への継承が最重要課題となっている。ブリマなどを見ていると、学生のレベルは高い。大学の文学部などへPR、若い世代をリクルートする方法、若者との接し方、コミュニケーションの取り方など具体例が紹介された。ーー

4.「ガランスの会」の意見・提案=①「一総活躍社会」に騙されないこと。働き過ぎて物質的には豊かになってきたが、精神生活は逆に貧しく荒廃している。商業主義の渦に巻き込まれない同人雑誌のような創作拠点が重要となってきている。しかし現在、同人雑誌が「老人雑誌」と郷楡されるように地位が既められている。若者や壮年層の書き手を呼び込むには、同人雑誌の社会的地位の向上が求められる(会に加わり同人になることが誇りに感じられるような)。②今こそ、「働き方改革」ではなく、「生き方改革」が求められている。人間らしく、幸せに生きるには、自分にふさわしい納得のいく「物語」を見つけるかどうかで決まる。息苦しい社会になればなるほど、創作の場を提供する同人雑誌の役割は大きくなる。「同人雑誌」のキーワードの広がりを期待したい。全国同人雑誌最優秀賞「まほろば賞一の知名度がさらにあがれば(受賞作の出版などによって、若者、壮年層の同人雑誌への参加が北できるーーとしている。詳しくは「ガランス」誌27号(〒812-0044福岡市博多区千代3丁目21、(株)梓書院(☎092-643-7075)を読んでほしい。

 

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