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2019年11月19日 (火)

小説と事実ーー世間話から

 19日の午前8時15分頃、和歌山市のビル(12階建て)の最上部から鉄パイプ(長さ1・5メートル)が落下し、道路を歩いていた20歳代男性の頭に当たった。男性は病院に運ばれたが、死亡したーーというニュース。朝、8時にである。なんとも、ぎょっとする偶然の悲劇である。
  ハードボイルルド作家ダシェエル・ハメットの小説で、たしか「マルタの鷹」だったと思う。記憶によれば、そこに、話の筋に関係なく、ある逸話が語られていた。探偵の語り手は、ある金持ちの失踪事件を頼まれる。その男は、仕事にも家族にも恵まれ、何不自由ない暮らしをしていた男が、ある日突然姿を消してしまった。そこで捜索をした探偵は、その男は見つけて、失踪したその理由をきいた。すると男は、昼食を食べに行った時に、建設中のビルから鉄の梁が降って来た話をしという。この場合は、頬をかすめただけで、無事で済んだが、その時に男は人生の本質というか、実態をみたような気がしてショックを受けたという。どんなに安定した生活があっても「人間は、偶然によって死んでいく。」そこで、すべて捨てて新しい生活をし直したというのだ。しかし、探偵はいう「自分の見た限り。男はには新しい別の妻と子供がいて、不自由のない生活をしているようだった」と。
 ハメットには「影なき男」という小説がって、そこにも、雪の山中での犯罪者が人肉を食らう話があって、それが話の筋に関係ない逸話なので、非常に印象に残る。今考えると、探偵をしていたハメットの体験か、聞いた話かの実話であったのだろう。
ーー今日は今度の日曜日の「文学フマ」の見本誌の作成と、読者をひきつけるための短い宣伝文句に頭をひねって過ごした。

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