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2019年6月10日 (月)

【文芸時評】6月(産経新聞5月26日)石原千秋氏

   (抜粋)ーそれで、十数年前に作った講義メモがあまり役に立たなくなった。たとえば、村上春樹自身が語っているように、『ノルウェイの森』の大ヒットは予想外の出来事だったのだろう。『ダンス・ダンス・ダンス』は『ノルウェイの森』の呪縛から逃れるために書かれた小説で、単行本の「あとがき」には、主人公の「僕」は初期三部作の「僕」と同一人物だとあるが、文庫にするときにこの「あとがき」を削除した。なぜそれができたのか。それは『国境の南、太陽の西』で、村上文学が決定的に変質したからだろう。こういう講義になっているわけだ。

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