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2019年3月17日 (日)

文芸同人誌「茶話歴史」創刊号(大阪府)(1)

【「骨喰と龍王」真弓創】
 裏表紙に、松本久秀が足利将軍から奪った名刀、骨喰を巡る怪奇譚という解説がある。歴史ものというより時代小説である。
 骨喰という妖刀があって、切っ先が届かなくても、敵を斬り倒すという威力をもつ。その他、妖術、幻術の現象が起きる。それは面白い。さすがである。しかし、作者は妙にそれに合理性を持たせるような描き方である。そのため、ワクワクし損なう。今の若い読者は、自分なりの次元を超えた世界を作って、読物にしているので、合理性など無視している傾向が強い。オーソドックスな感じが際立つ。
【「黒船に忍ぶ」有汐明生】
  幕末に生き残った最後の忍者が黒船相手の任務に挑む、という解説。歴史小説的時代小説であろう。ペルリ提督の黒船がやってきた。そこで、徳川政権側は、忍者を黒船に忍びこまさせ、もっている徳川方への親書を盗み出して、交渉がしにくいようにしようと、陰謀をはかる。津藩の沢村甚三郎がその任にあたる。忍者が、黒船来航に活動したという史実はあったらしいが、実際には、何のためか事実は不明だが、その動機づくりが面白い。短編であるので、まとまりが良い。目のつけどころがよいので、さらにいろいろ仕掛ける工夫があれば、さらに面白くなるかも。
【「異説さらさら越え~星下の宴~」都賀久武】
 雪山で佐々木成政がある人物と出会った民話を描くという解説がある。成政の越えの話は、何かで読んだことがある。雪の中でタイムスリップしたらしく、源平合戦時代の侍の世界に巻き込まれたらしい。思いつきも、歴史が絡むと面白く読める。
【「昌平坂学問所異聞」丹羽志朗】
  とある仇討ちの事件を機に江戸末期の武士の在り方を問う。江戸時代の天保6年。昌平坂学問所の儒学者、斎藤秀岳が安永期の「武士(もののふ)ノ心」という書を見つける。それには、その講義をした学者の名が消してある。何故なのか? その内容のことがわかる。ここまでは、歴史的な事実の記述である。
その理由を調べると、梅沢という老人がそのいわれを語る。ここから、梅沢老人の語りとなる。この部分は軽快で、スピード感があって面白い。ちょっと中だるみも感じるが、軽快さではこれが一番ではないだろうか。。(この項つづく)
〒573-0087大阪府枚方市香里園山之手町13-29、澤田総方、朝倉昴。茶話歴談編集部。
紹介者「詩人回廊」編集者・伊藤昭一。

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