「季刊文科」誌75号で吉村萬壱・特集。試論と小評論が三つ。
ややエログロナンセンスの傾向のある作家・吉村萬壱であるが、文芸誌「季刊文科」の常連作家になっている。勝又浩氏との対談では、あまりにもグロテスクに感じて、同誌の購読を辞めた読者もいたらしい。しかし、やはり面白さのある純文学となると、こうした手法も現代性に満ちている。一部評論抜粋した。《参照:吉村萬壱論を横尾・佐々木・伊藤3氏が記す=「季刊文科」75号》
地球温暖化の災害、資源の枯渇、原発放射能被ばく、プラスチックマイクロチップ化など、人類は地球を喰いつくす害生物とかしており、わかっていても止めることはできない。その視点で読むと吉村萬壱文学は、的確である。グロテスクなのは人類なのだろう。
国家社会は、そこに目を逸らして、あたかも輝かしい未来があるように喧伝する。本当はオリンピックなどやっている場合ではないのに、暗い未来を忘れるために今をにぎやかに過ごす。
とはいっても、どこかで癒しが必要で、滅亡の美学がこれからのテーマかなあ、と思ってしまう。
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