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2018年4月18日 (水)

中学3年女子が盗んだお金をもらった同級生の立場は?

  友人宅から現金1千万円を盗み、同級生に配ったとして、警視庁少年事件課などは16日までに、窃盗容疑で東京都江東区に住む中学3年の女子生徒(14)を逮捕した。容疑を認め、「遊びに行った時に2回盗んだ。同級生に仲間外れにされていると感じ、ストレスがあった」と供述しているという。
 同課によると、被害に遭ったのは小学校時代の友人宅で、女子生徒は頻繁に遊びに行っていた。
 女子生徒の母親が2月中旬、生徒の部屋のクローゼットから、トートバッグに入った帯付きの現金1千万円を発見。生徒は「知らない男から預かった」と話した。母親は事件に巻き込まれたと心配し、現金を自室に移したが、生徒は隙を見て持ち出し、校内などで同級生約10人に数十万~100万円を配ったという。(2018/04/16-12:30)
  事件として、報道されたものだが、では、このお金を渡された友だちは、どんな気持ちであったか? である。
  ーーいかにも現代的な出来事に感じそうだが、実はこれに類似したようなことを起こす世代であることが、小野友貴枝氏の本《「夢半ば」日記》の第1巻を読むと記されている。それは昭和29(1954)年の中学2年の日記であある。
 それは、知らずにものを受け取った体験の感想にある一部抜粋を交えて説明すると、
ーー私にはひとつの心配事がある。どうしようと思うが考えつかない。--それは同級生のKちゃんが、家のものを盗んできて、2組のひとたちにくださるので、お母さんがとても怒っているという。小野さんもいらない、いらないと言ったのに、みんなが受け取っているというので、もらってしまったのである。実はそれは、Kちゃんが勝手に家のものを持ち出して、配っていたのを知ったのでに、悔やみ反省し、明日どうするか相談しようと、日記に記している。
出来事として共通するのは、中学生のクラスでの存在感を高めたい、という心理によるものである。しかし、違いは、1954年の当時は自宅の物を使ったのに対し、他人の家の現金を盗むということである。
 物品lら現金に変わって、しかも他人の家の金を盗むという、中学生でも犯罪とわかることをも、あえてする意識である。
 この違いを考えると、この現金をもらってしまった、同級生が、日記にある小野さんのような、良心的な潔癖性をもっていることは可能なのか、どうかである。
 とくに、小野さんが大人になってから、苦学をしながら、社会的に貢献する仕事で、その地位を築いたことを、考えると、日本人の過去と現在、強いては家族関係の価値観などが、まったく異なる社会になっていることがわかる。
 現在の大人社会の現状を反射する鏡として、「夢半ば」日記を読む意義は深いのである。

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