« 天皇陛下のご執筆も「日本魚類館」に、ご筆名「明仁」で | トップページ | 赤井都さん~桜色の時間が通り過ぎたらもっと春色満開号~ »

2018年4月 5日 (木)

梶井基次郎の美と憂鬱の定着点

  桜の季節である。会員か良い写真が送られてきたので「桜の樹の下には     梶井基次郎」に採用してみた。梶井は結核を病んでいたので、常に死と向き合わされていたであろう。つねに死に至る憂鬱がつきまとう。そこに桜の美し生命の開花を観た時に、憂鬱と美意識の擾乱がおきたのであろうか。憂鬱な気分の時にロックが鳴り響くようなものだ。そこで、この美しさは死者の上に成り立っているこそのものと、イメージする。そのことで、憂鬱さの落ち着きを取り戻す。
 本来はこれは詩であるはずである。しかし、詩では表現できない情念を表現するためには、言葉の関係性をからめた散文になるしかないのだ。菊池寛は「詩はなくなる」と予言したが、これはそれを証明するようなものになっている。ここには詩的でありながら、あくまで明瞭な風景と情念の関係がある。(北 一郎)

|

« 天皇陛下のご執筆も「日本魚類館」に、ご筆名「明仁」で | トップページ | 赤井都さん~桜色の時間が通り過ぎたらもっと春色満開号~ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 天皇陛下のご執筆も「日本魚類館」に、ご筆名「明仁」で | トップページ | 赤井都さん~桜色の時間が通り過ぎたらもっと春色満開号~ »