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2018年4月11日 (水)

「遊民経済学の時代」の文芸と社会

マスターカード社の国別都市別ランキング調査によれば、2009年から16年の間に世界経済のGDPは21.8%増加している。年平均3.1%は、けっして高いとは言えない。ところがこの間に、世界132都市における外国人観光客数は55.2%伸び、その支出額は41.1%増加している。7年間でざっくり5割増しである。
思えば世界経済の規模は、とっくに「人口:70億人、GDP:70兆ドル」を超えている。つまりGDP1人当たり1万ドル以上の時代を迎えている。これだけ豊かになれば、海外旅行をする人口は激増する。そろそろ世界が貧しかった時代の常識を捨てなければならない。これから先は、国際的な人の移動が世界経済の主要エンジンと考えるべきだろう。つまり観光客の増加が、世界経済をけん引する時代である(本誌では、以前からこれを「遊民経済学の時代」と称している)。(溜池通信より)
 こうした世界的遊民が、マルチチュード(群衆)となって、社会構造の枠を超えるのではないか、というのが東浩紀の「観光客の哲学」であろう。「菊池寛の作家凡庸主義と文芸カラオケ化の分析」にも、それを紹介している。宣伝だけれども、文章講座や文芸同人誌の編集者には、基本として読んで欲しいものだ。  

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