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2018年4月17日 (火)

「砂」に読む2017「文学フリマ東京」出店録の余話(1)   北一郎

  文学作品のフリーマーケット即売会の第「二十五回文学フリマ」が東京・平和島の東京流通センターで開催され、そこに文芸同人「砂」の会と文芸同志会(伊藤昭一代表)が出店し、発行作品を販売した。「砂」と文芸同志会は、第一回の開催から協力参加しているもの。
  展示販売作品は、文芸同人誌「砂」と、山川豊太郎の漫画研究評論の冊子「志村貴子『放浪息子』」(文芸同志会発行・三百円)、「成人男子のための『赤毛のアン』入門」(同)。
  伊藤昭一の著作物の「なぜ「文学」は人生に役立つのか」(五百円・文芸同志会発行)の1部編、Ⅱ部編。「野上弥生子の文学とその周辺」(伊藤誠二編著・草場書房発行)(本体・千円+税)、本書は、野上弥生子の想い出とその文学について語った随想集。伊藤昭一、浜賀知彦、野上燿三、伊藤誠二、岡田すみれこ、石塚秀雄、日野多香子、山下博などが、執筆している研究書である。
  これらには、かつて「砂」誌に掲載したものに加筆したものが大部分である。とくに、山川豊太郎と北一郎の共同作品集「カフカもどき」と伊藤昭一が菊池寛の「作家凡庸主義」という論をもとに、文学創作のカラオケ現象と、現代文学を比較した評論冊子などはそうである。売れ行きは上々で、幾つかの本は売り切れた。
 今回のイベントでついて、販売カタログで、主催の望月倫彦・文学フリマ事務局代表が巻頭言を下記のように記している。
【望月倫彦代表のカタログ巻頭言】
 「第1回文学フリマ」は2002年11月3日、青山ブックセンター本店に併設のカルチャーサロン青山というスペースで開催されました。そのときの出店者の数はおよそ80。その「第一回文学フリマ」会場で、ひとりの出店者として自作の本を携えてブースに座っていた私は、「文学というも名のもとに、こんなに大勢の人が集まるものなのか」と密かに感動を覚えていました。
 それから十五年が経ちました。本日の出店者数はおよそ800。第一回目のちょうど10倍です。ただの「文学フリマ」は、「文学フリマ東京」になりました。なぜなら、全国各地で開催されようになったからです。
 もし、文学フリマがこれだけの規模になると最初から教えられていたら、自分は代表なんて引きうけなかったかも知れません。でも、一五年前にそれを予想していた人は誰一人としていいませんし、そう教えられたとしても自分は信じなかったでしょう。今日の文学フリマは、第一回目の頃には想像もしなかったような地点に立っています。
 今回のカタログでは文学フリマ十五周年記念の企画として、コミテティア実行委員会代表の中村公彦さんに対談をお願いしました。「COMITIAI22」と「第二十五回文学フリマ」が同日開催となった今回、このような企画を快くお引き受けいただいた中村さんにあらためて感謝申し上げます。中村さんとの対談はとても刺激的な体験でした。
 十五周年で過去最多の出店数と言いつる、いつも変わらない文学フリマです。今日ここに集まった作品を、各々で楽しんでいただければそれだけで幸せです。
2017年11月23日
   文学フリマ事務局長 望月倫彦
                             (つづく)
本稿は雑誌「砂」136号に掲載のーー「砂」の会と文芸同志会が2017文学フリマ東京に出店(北 一郎)-を連載形式で分載するものです。《参照:雑誌「砂」のひろば
文芸同志会の出店風景

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