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2018年3月 9日 (金)

「文学が人生に役立つとき」(伊藤昭一)の少売り出し

  「文学が人生に役立つとき」伊藤昭一(文芸同志会)の発売を開始しました。3月早々に出来上がっていたのですが、郵送料がゆうパックが一番安いようですので、700円+180円=880円にしました。《参照: 「菊池寛の作家凡庸主義と文芸カラオケ化の分析」を書籍化
 本書は、「なぜ「文学」は人生に役立つのか」の小冊子で販売していましたが、興味のある人が少なからずいて、安定して売れてましたが、3回くらい増刷しました。さらに、その続編を「詩人回廊」に掲載し、コピーの附録つきで、第2弾として販売。それが、去年の「文学フリマ東京」で、すべて売り切れとなりました。
 元来は、こうして小冊子を何冊もシリーズで発行し、最終的に著作化しようとしていたもの。しかし、小冊子二回分でかなりの量があり、印刷の関係もオンデマンドで、必要なだけ印刷できそうなので、著作化しました。
 文学フリマのメイン販売本として制作したのですが、今から前売りの大売り出しならぬ「少売り出し」を開始します。
  ここでは、沢山の同人誌を読んできて、その傾向を把握し、その結果得た肌触りを軸に評論をしています。もともと菊池寛は、詩を書いていた時に、「詩」はいずれはなくなる、という彼の論を読み、興味をもち、愛読した時代がありました。彼の持論は、生活が大事、作家になる前に、まず生活しろというもので、今でも自分はそうだな、と思ってます。
 自分はマルク主義思想の経済社会制度を学んできて、文学畑でないので、その発想が基になっています。作品の構成については、文学論としては、まず同時に論じられることのない、地球の人口の増加と経済成長の上に、文学の発展があるとする視点です。同じ視点がないかと、探したところ、東裕紀「観光客の哲学」がわずかに関係しているので、その論もすこし取り上げています。観光客をクラウドとして把握するのも、人口増があるからだと思います。
 こういう発想は、あちこちに部分的な書いているので、それをここでまとめたものです。
 文芸同人誌を送っていただいて、読んでいるのも、社会人の発想の在り方として、観察させてもらっています。そのうちに「文芸同人誌に読む、社会構造の変化」というのも書こうと考えています。作品の出来の云々よりも、こういう作品が生まれる時代は、どんなものか、ということで、人間の意識の変化を観察できるのではないでしょうか。

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