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2017年12月 7日 (木)

文芸同人誌「私人」第93号(東京)

【「建築事務所勤務」えひらかんじ】
 あちこちで、ビル建設がおこなわれているが、そのもとである設計事務所の仕事を、海外でスキルを得た外国人技術者が働く様子を描く。こちらの知らない世界を描いているので、情報小説として興味深く読める。事実を背景に、外国人の眼で主体的に仕事ぶりを描くのだから、ペンネームも外国人カタカナ風にしたら、もっと本当らしく読めるのではないか。
【「珈琲朋友」根場至】
 カルチャー講習の小説教室に通う作者は、妻を亡くし、喫茶店で時間を過ごしていると、そこでやはり同年配の男と知り合う。彼の誘いに乗って、競馬場に行くと、その活気に巻き込まれてしまう。しかにも自然な生活日誌な作品。たしかに、世間を反映したひとつの世界が描かれている。
【「E・ヘミングウエイの時代(一)」尾高修也】
 ヘミングウエイの「武器よさらば」の作品を巡って、大学の学部のせいか、原文を読んだことの話から始まっている。自分は、経済学部の教養の単位の必須で、小泉八雲の英文を読む必要があって、ついでに「武器よさらば」の原文本を買って読んだ。冒頭の雨のぬかるみを兵士が行軍する様子のイメージ力の強さを知った。また、同時にコールドウェルの短編も英語で読んだ。好きな作家だった。懐かしさと、この時期は文学作品とする価値観が、不動のものであったことを思う。
発行者=〒346-0035埼玉県北本市西高尾4-133、森方。
紹介者=「詩人回廊」北一郎。

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