東浩紀『ゲンロン0 観光客の哲学』第71回毎日出版文化賞を受賞
東浩紀著『ゲンロン0 観光客の哲学』が第71回毎日出版文化賞を受賞した!本日11/3(金)の毎日新聞朝刊にて、鷲田清一さんのコメントとともに『ゲンロン0』の受賞が発表された。
《参照:第71回毎日出版文化賞 受賞作決まる》
本書は、根底にポストモダン思想からの延長線上のものであることを、冒頭部で述べられている。
【ポストモダン】とは。
現代という時代を、近代が終わった「後」の時代として特徴づけようとする言葉。各人がそれぞれの趣味を生き、人々に共通する大きな価値観が消失してしまった現代的状況を指す。現代フランスの哲学者リオタールが著書のなかで用いて、広く知られるようになった。
リオタールによれば、近代においては「人間性と社会とは、理性と学問によって、真理と正義へ向かって進歩していく」「自由がますます広がり、人々は解放されていく」といった「歴史の大きな物語」が信じられていたが、情報が世界規模で流通し人々の価値観も多様化した現在、そのような一方向への歴史の進歩を信ずる者はいなくなった、とされる(『ポスト・モダンの条件』1979年)。
また、ポストモダンという言葉は、ポスト構造主義の思想傾向を指す言葉としても用いられ、その際はポスト構造主義とほぼ同義である。唯一の真理をどこかに求めようとする思考を徹底的に批判しようとしたデリダ、近代は自由を求め拡大したのではなく、むしろ人々の内面と身体を管理する技術を発達させたと述べたフーコーなどは、共に、近代的な物語を解体しようとした思想家として見られるからである。 (西研 哲学者 / 2007年)
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