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2017年7月 4日 (火)

末井昭「素敵なダイナマイトスキャンダル」映画化へ

  編集者で作家の末井昭(すえいあきら)さん(69)が、豊富な話題を振りまいている。五月には新作エッセー『結婚』(平凡社)、『末井昭のダイナマイト人生相談』(亜紀書房)の二冊を同時発売。三十代までの半生をつづった『素敵なダイナマイトスキャンダル』は来年春の映画公開が決まり、ちくま文庫から原作が復刊された。(東京新聞7月1日)
 編集者で末井昭氏を知らない人はいないであろう。30代までの自伝 「素敵なダイナマイトスキャンダル」は、--芸術は爆発だったりすることもあるがのだが、僕の場合、お母さんが爆発だった」ではじまる。
 末井さんの母親は、昭氏の幼少期に、隣家の若い不倫相手とダイナマイト心中自殺したのである。ダイナマイトが身近にある環境と言えば炭鉱生活である。エロ本業界で猥褻出版で幾たびも警察に呼び出された。そんな雑誌のひとつ「写真時代」で、荒木経l惟氏を起用し、80年代にアラーキーの芸術が世に広まった。ただし、末井編集長のところには読者から、荒木の写真では、オナニーで抜けないーという苦情がきたという。たしかにエロいの種類が違うのである」。
 アラーキーが世に出始めると、エロ雑誌は不況になり、末井氏はパチンコ雑誌を編集してしていた。その後、は「自殺」を刊行しヒット。
■関連情報=作家と編集者の理想の関係
末井昭ブログ「結婚」
 こう紹介する自分は、マーケティング関連の雑誌の編集を手伝っていたが、ある人から、「あなたに似たような編集感覚のひとがいる」と、 「素敵なダイナマイトスキャンダル」を貸してくれた。そこで、知ったのでのである。「何かを表現するっていふうに性格がなって行ったのは、母親がいたからっていう感じがありますよね。内向的になったていうか」(前掲・東京新聞)とある。三つ子の魂ができる以降の母親喪失の影が感じられる。

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