真田左近 元公安刑事・自衛官の作家
現代的な自衛隊や公安警察の体験者である作家の意見~公安は相変わらず共産党を調べるのが仕事らしい。主婦のパートでも雇った方が効率的なのでは。東京新聞・中日新聞(4月22日付け朝刊)《真田左近 元公安刑事・自衛官の作家》より。
-まず一般にはなじみのない公安警察とは何かについて教えてください。
左翼や右翼の情報、スパイ・テロなど外国からの脅威、デモ取り締まりや要人警護をするセクションで、それぞれ公安、外事、警備と呼びます。戦前で言えば特高警察。全国の警察本部に警備部や公安部があって各警察本部ではなく警察庁の指揮下にあります。静岡は県警本部警備部に公安、警備、外事の三課があり、清水分庁舎に「裏公安」と呼ぶ協力者づくり専門の作業班がいて、獲得した協力者に定期的に接触します。裏公安は大きな署にもあります。
-警備の仕事内容は?
藤枝署警備課の担当は文書(庶務)と共産党、極左、特対(特殊組織犯罪対策)、外事、右翼、(警備)実施、災害対策に分かれていて、私は配属時は文書担当でした。共産党員など視察対象者の情報をまとめて本部に「逓送」する仕事です。視察というのは監視のことで内部では対象団体の構成員を「マル対」と呼び、逓送は警察内部の文書を警察車両を使って本部や警察署間でやりとりする部内郵便のことです。
-担当はきちんと決まっているのですか。
課長含めて五人の小さな組織ですから何でもやりました。監視する組織には番号があって一は共産党、二は右翼、三は外事、四は極左、七はカルトなど特対。番号の割り振りは時々入れ替わります。マスコミと接触するなど不穏な動きのある警察官がいれば二十四時間監視もやります。
-最も重視されるのは?
監視組織の協力者獲得です。かつてはマル対にもAからFまでの六段階と最後にZがプラスされて七段階の格付けがありました。共産党で言えばAが国会議員や中央委員、Bは県委員など、Cは一般党員。A~Cは党員ですから「M」と呼びます。メンバーのMですね。DからFはシンパで、ランクはその度合い。Zは活動休止状態や脱党、除名された党員です。藤枝署管内だけでも左翼右翼計千人以上の視察対象者がいるので、活発に動いていて将来性のある人に絞って作業をかけます。二十歳前後の出世しそうな人につばをつけたいですね。
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