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2017年4月10日 (月)

文芸同人誌「マスト」36号(兵庫県たつの市)

編集後記によると女性七人が集まり年一回発行している文芸同人誌である。36年続けた現在は70歳になったと書いてあるが俳句会も行い活発に活動している。
 西野小夜子「夕茜」は亡くなった娘の同級生との交流場面から入り老婦人の半生記が書かれている。二度の不倫経験を中心にした回想記は読ませる作品になっている。導入部分は娘の同級生を主役にしているが後半は作者と思われる老婦人の回想のまま終わってしまっている。
 七人の七作品は回想的な作品が多いが、松尾康子「七生倒敵」は異色の時代小説になっていて興味深く読んだ。輪廻転生の物語である。南北朝期に勤皇の武将として知られる楠正成と弟の正季が七回生まれ変わり忠節を尽くすと言い残した名言を基にした作品です。
 室町初期の武将・斯波義将や日野富子などに生まれ変わり最後は日清戦争時の軍神である広瀬中佐となり足利尊氏以来の抵抗を成し遂げる連載長編の終回となっている。独特の作り込みがマニア好みになっていて女流作品としては珍しい。彼女の俳句は,

まごころに素直に応え大黄菊
空晴れて枝豆を刈る手に力

 ーーの二句である。

発行所=〒6794100たつの市龍野町末政34 三木方 マストの会(2017年3月発行)
紹介者=「文芸交流会」事務局長・外狩雅巳

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コメント

拙作の意図をくみ取って戴けて、嬉しいです。
ありがとうございます。

        靖子

投稿: | 2017年4月12日 (水) 07時40分

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