「文芸多摩通信」13号(町田市)を読む=外狩雅巳
本冊子は、日本民主主義文学会の町田支部が発行している。十人足らずの小さな支部だが熱心な人が多い。
支部文芸誌「文芸多摩」を毎年発行しているがその間を埋めるのがこの通信である。
A3の大判で24ページだが旅行記やエッセイなども掲載し支部の存在を知らせる小冊子となっている。
佐藤順子「息子への手紙」は掌小説とも読める巧みなエッセイである。息子に成りすました詐欺電話で始まる。借金依頼に巧妙な返答をする。前回の借金全額返還を喜び借用書を返すから取りに来いと返答するのだ。
息子が建て替えてもらった借金を働いて返す話への導入にする巧みさが上手い。親子の情を書いた作品。
エッセイ二編、旅行記二編、大会レポート二編を盛り込んだ読み応えの一冊に編集した手腕に感心した。
この支部は町田文芸交流会の常連で民主文学会外部の文芸同人誌世界に積極的に交流している。
その実績を全国大会や東京大会で発表している。佐久健さんはその発表内容を今号に掲載している。
4月22日の交流会では当誌を取り上げる。支部長が病気療養中で編集後記を佐久健氏が執筆している。
「文芸多摩通信」第13号=(2017年3月発行)町田市中町2-18-10。編集発行=日本民主主義会町田支部代表・大川口好道・事務局・木原信義
《参照:外狩雅巳のひろば》
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