「詩人回廊」という場から生れた外狩作品「「工場と時計と細胞」
外刈雅巳氏が、文芸同人誌「相模文芸」33号に叙事詩形式の「工場と時計と細胞」を発表した。《参照:政治と文学と「工場と時計と細胞」について=外狩雅巳》
当初は、作者はこれまで書いてきたものでは、まだ思いがつた伝わらない気がする、とうことで、とりあえず「詩人回廊」の場があるので、頭に浮かんだことを、そこに断片を書いておこうということにしたという。
編集者の北一郎は、言葉はそこに置かれた意味的なモノであるという発想をもって(理解する人は少ないが)それば、並べられたモノとして言葉をどう受け止めるか、という試みで、断片を並べてみたらどうか、と賛同した。
まさに、自分が何を言いたいのか、はっきりしないのでまず、思いついた断片を記してみようということになった。
それを、叙事詩として読み取った北が言葉の並べ替え、順序の入れ替えなどを提案。そのことから外狩氏が納得したところだけを採用し、編集しなおしたものである。
こうして、想いの断片を「詩人回廊」向けに書かなければ、生まれなかった作品である。このことで、書く場所があるから生まれるという、同人誌的な機能がここにもある。
しかし、それが実験的で試作、習作的になるのは仕方がない。そこにわかっているものを、わかりやすく書くという方法の多い同人雑誌作品とは異なるところがある。
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