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2017年1月11日 (水)

文芸同人誌「私人」第90号(東京)について=外狩雅巳

  文芸学習を行っている人たちの作品集です。「相模文芸」33号を贈ったら年末には役員の一人、小保方氏より連絡があった。
ーー私どもの「私人」は全くの素人が尾高修也先生の指導のもと、短編を読み、短編を書くという作業を月二回の教室で行っています。この継続する意思が何かを生み出せるのではないかと願っています。ーー とありその成果としての第90号を年末に完成させています。
  104頁の整ったとした体裁で年四回発行の今年第一弾となります。創作6編と尾高氏の連載が一つ掲載されています。
他に「プリズム」という三段組の随筆集を設けて四人の作品を掲載しています。
編集後記は次のように記されています。
ーー小説の内容が作者の実体験そのものと思われることがあります。身近な素材を取り上げることが多いので、そう思われても仕方がないところがあるのですが、小説はフィクションで事実そのものではないと、私は思います。そのまま書いたらさしさわりがあるので設定を変えている人もあるでしょうし、聞いた話をさも自分のことのように書いている人もいるでしょう。だからといって嘘ばかりというわけではなくて、作者自身がつかんだなにがしかの真実といったもの小説の中に埋め込まれていれば、そしてそれを読む人感じ取ってもらえたら、大成功と思います。---
とあります。これを読んで内容よりも文体に惹かれました。著者の真摯な姿勢や一語一語自分と会話しながら書き進め高のような文章で読者に迫ろうとする工夫の一つを見ました。文章教室に通い創作を作り上げようとしている人たちの息吹きを感じたような気分になりました。皆様もよいお年をお迎えください。
「私人」発行所・朝日カルチャーセンター 🏣163-0204 新宿区西新宿2-6-1  発行人・森由利子
《参照:外狩雅巳のひろば

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