文芸同人誌「白雲」43号(横浜市)&「クレーン」38号(前橋市)
新年早々から今年完成の同人雑誌が続々と届き出しました。先ず「白雲」43号と「クレーン」38号の二つの雑誌を紹介します。この二誌の代表者とはかって関東同人雑誌交流会で知り合って以来毎号発行毎に同人雑誌交換して来ましたので気合いを入れて読んだ。
☆「白雲」43号☆
短歌俳句の会が小説も掲載するようになったらしい体裁なので70頁の前半が短歌・俳句で公判が随筆と小説です。 小説は二編です。
【「少年Ⅿの回想記」穂積実】
少年の目で書いた昭和初期の様子が33回に渡り連載中です。
【「快男児・喜楽」山本道夫】幕末明治初期に活躍した茶道・華道の達人の実話らし行動記録がつづられている。
会話も多く活気のある文章だ。喜楽と親交のある勝海舟筆の幟旗の写真も掲載されている。連載20回目である。
10頁程度の連載2編と紀行文や随筆が30頁を埋めている。窮屈な編集に成っている。
発行所=〒233-0003横浜市港南区港南 6-12-21、「白雲の会」代表・岡本高司。
☆「クレーン」38号☆
【「ライン作業者」わだしんいちろう】
わずか7頁と短いが引き締まった掌編に成っている。ヨーグルト容器を作る現場の記録風の描写が続く中に、作業員たちの会話を織り交ぜている。生産点の日常を覚めた筆で実写する事で訴える文章である。外国人労働者が、ごく普通に就労する単純労働の現場。作者は淡々と事実を提示するが無機質な痛みが伝わって来る。
日本資本主義の底辺を支える労働者群。その内実を表現する事の意味を読み取れるか戸惑いながら鑑賞した。 井上光晴の薫陶を守る和田さんの真価を見定めようと三度も読み直した。
発行所=〒371-0035前橋市岩神町3-15-10、「前橋文学伝習所」わだしんいちろう方。
紹介者=外狩雅巳(町田文芸交流会事務局)
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コメント
作品批評ありがとうございました。3度も読みなおしてもらえて恐縮です。
ただ、作者名をひらがなで発表していますので、訂正していただけたらと思います。
また、よろしくお願いします。
投稿: わだしんいちろう | 2017年1月22日 (日) 21時41分