今年2016年はどうでしたか? 赤井都さん
充実した一年でした。たくさん作って、たくさん売れて、教室も定期的にしていました。おかげさまで、ありがとうございます。
作品作りは、かなり手が速くなり、金箔押しの技法も身についてきました。
その結果、新しいものを生み出すことができる自由さや軽快さが出てきた気がします。
ミニチュアブックソサエティでの受賞は、周りの方が喜んでくれたし、NHKに出た時も、応援してくれる人のことを考えていました。スポーツ選手がよく、そんなコメントを言っているのと同じように、私もそうしたことが自ずと力になって、いい循環な気がします。
順々に2016年を振り返ってみると、1月は個展「航海記」。ドライポイントへの挑戦。活字組版と印刷の挑戦。
フェイスブックを使ってメイキングを上げて、自分を鼓舞していました。
個展に来られないはずの海外の方からの、熱烈ストレートな反応が以来続きます。
大作の新作が売れたので、今年はもう働かなくていいやと思ったけれど、その先の予定が入っていたので、また作り……。
4月は「豆本がちゃぽん10周年」。大きい本にチャレンジして大変でしたが、手を動かしたいということについてはかなり気が済むという、満足でした。
でもデザイナーさんにはかなわないなあ、とひそかに思いました。5月は名古屋で、「そっと豆本、ふわっと活版、ほっこりお茶2」。行ったのは一日だけでしたが、お客様が来てくれてうれしかったー。
7月はみずのそらで活版グループ展「漂流線」。『孤独』を作りました。ドライポイントと活字組版を、さらに発展させて作品にし、革や磁石、金箔押しを加えた表現にしました。スケジュールがちょっとタイトでしたが、すごく集中できて、この作品がこの時点で作れて良かったです。
8月は、ミニチュアブックソサエティでの受賞のお知らせが届きました。9月は三省堂の神保町いちのいちで「そっと豆本、ふわっと活版5」。いいムードの中、『雨ニモ負ケズ』新作を出せました。これは弘陽の三木さん
と今年作りたいと思った本なので、実現して良かったです。
活版組版へ視線がいくように、活字組版の本を作ったり、you-tubeに動画を置くという初めてのことをしました。挿画への評価が、非常に高く、あちこちからいただいているのが私にとっては新鮮な驚きでした。疲れたのでちょっと休みつつ、次の準備。
12月は、中野のギャラリーリトルハイで個展「手のひらの中のアリス」。また、たくさんの方においでいただき、たくさん売れました。特装版、原画、豆本の作り方の本、豆本がちゃぽんなどがそれぞれ人気でした。お客様も、作品も、幅が広くて、それが良かったと思いました。この個展では、『雨ニモ負ケズ』特装を新作として出しました。
NHK総合テレビの朝7時45分からのニュースで豆本が紹介されました。
現時点で、『雨ニモ負ケズ』特装はご予約済み、『航海記』特装、『孤独』は完売しています。
《言壺》便りより。
■ 来年2017年の予定
2月は東京製本倶楽部展(目黒、京都)
5月は「そっと豆本、ふわっと活版、ほっこりお茶3」(名古屋)
9-10月は「そっと豆本、ふわっと活版、ほっこりお茶6」(神保町)
教室は、1,3土曜日に自宅で、毎回ご予約満席が続いています。
2月19日に朝日カルチャー千葉でワンデイレッスンをします。
マイペースで、やっていこうと思います。
作品としては、稲垣足穂の『一千一秒物語』の全集を出します。
これは革で、伝統のデコールの技法をたっぷりと、そして
私オリジナルの新しいエッセンスを加えるつもりです。
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