「文人碁会」(世話人・三好徹氏)に参加する
文人碁会というのがあって、このほど北一郎も参加してきた。《参照:「詩人回廊」》作家の碁の話というと、古くは坂口安吾の「文人囲碁」や伊藤礼氏の「パチリの人」というのがある。戦後は文壇囲碁という世界もあったらしい。現在の文人碁会は、推理作家の三好徹氏と、秋山賢司氏が世話人で、それに詩人の郷原宏氏が加わった。
三好徹氏は、名前貸し程度に考えていたら、元気で参加されたのは意外だった。郷原氏の「詩人碁会」のメンバーも多く、その詩人のあるひとから、帰り際に「世話人の三好氏と秋山氏が、参加者から先生と言わていましたが、囲碁の先生もしているのですか」と聞かれた。「いや、そうではないでしょう。昔からプロの物書きや資格の士のサムライ業のひとには、先生というしきたりなのでしょう」と説明した。大衆社会から小衆社会になって、従来の慣習の一般性の幅が狭まったことを感じ、苦笑してしまった。「先生といわれるほどの莫迦でなし」というような川柳もあったように思う。
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