単行本「鰯」(たじからこん)=外狩雅巳
単行本「鰯」(たぢからこん著)=320頁・文庫版。福岡県北九州市八幡西区千代1-26-13、あじさい出版)
作者・たぢからこんは、「九州文学」所属の作者とも長い交流が有る。「文学街」の森主宰の呼掛けに応じ短編集に作品掲載した仲間の一人である。
「文学街」の集会で九州文学代表の波佐間氏と知り合い同人誌交換も続けているので「相模文芸」も閲覧してくれている。
有力な書き手の多い同人会でもまれているたぢからこん氏の作品は洗練されていて読み心地が良く面白かった。
「元さん」は11作品が並ぶ中の巻頭である。浮浪者の元さんは公園に住み段ボール収集で生きる孤児である。
倉田巡査の独白で書かれた部分から作品の顛末が想像出来る。正業に就き安定する元さんにほっとした。
山口鶏助と言う方が全作品解説を8頁も行っている。解説によれば芥川作品の影響も良くわかる。
解説は―弱者もそれなりの場所で強かに生きようとしていることを実感出来た。それが作者の祈りだと思ったー
※作品評では無くて感想です。作者は多くの読者を期待しています。同人会内部で読むだけではもったいない。 私なりの感想でも作者に還元できる事もあろうかとこんなつまみ食いですが公表しました。
≪参照:外狩雅巳のひろば≫
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