同人誌「マスト」第35号(宇治市)
本号は、相馬康郎先生追悼号である。相馬氏の作品と、夫人の回顧録と生徒たちの偲ぶ言葉に満ちている。
【相馬康郎「深沢七郎という人」(「マスト」13号より再録)】
深沢一郎のみならず、周辺の人間関係、女性関係などを紹介し、それを作品の生み出したれた動機や手法とからませて、興味深く読ませる。バックナンバーには優れた評論を、生徒の同人誌に載せていたことがわかる。10人の門下生の心のこもった弔文がいかに尊敬されていた師であることを示している。
【眉山葉子「湖の妖精(続編)」】
エリカという女性の愛の遍歴物語である。アクロバット的なスピード感の文章。いかにも小説らしい小説で、才能的に何かを持っている作者のように思える。やはりこのようなロマン系のものは女性の方が適しているのか。どことなく味わいがあるし、面白い。
発行所=〒宇治市五ケ庄ノ内50-67、吉田方。マストの会。
紹介者・「詩人回廊」北一郎
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