「戯曲の要件」菊池寛と小説の視点
小説では、私が述べる一人称形式と主人公を彼などとする、多視点による第三人称形式がある。書いていて、苦心するのは、作品の主人公と作者の距離が出し方が難いことであろう。ただ、語り手が私であると、語りやすいが、その分、全体を俯瞰する話は、語りが難しく表現がわかりにくくなる。その点、登場人物ごとに、視点を移して書くと、ストーリーの展開が楽に書ける。その意味で、菊池寛の戯曲論は参考になる。《参照:春風亭小朝が菊池寛の短編を噺に独演会》
松本清張も小説を覚えるのには、菊池寛を読んで学んだと述べている。実際に、日本の小説は、三人称形式でありながら、実際は距離が取れていないのが多い。そのため物語的展開が表現できす退屈なのが多い。
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