文芸同人誌における経費負担の実際について=外狩雅巳
数日前にここで紹介した文芸同人誌「私人」88号について、会計係・小保方俊様より、早速の返信が来ました。費用負担の仕組みについてです。朝日カルチャーセンターの受講生と教室担当の指導者の作品で出来ているのが「私人」です。二十人超の受講生の大半が常連で78歳の尾高担当教師と共に作品掲載を行っています。
尾高氏は無料掲載で、受講生は原稿紙一枚千円の自己負担。約18万円で百部印刷との事です。
一冊千円、二冊目は五百円、以降は二百円の頒価で五十部程を各著者が売り捌いています。
外部送付は17部です。著者の平均年齢は五十歳程度。最高齢は84歳です。発行人の森由利子氏がメールで寄せられる作品を整理して印刷製本に送るそうです。
手書き原稿は五百円増しです。森氏の報酬も少なく奉仕作業として献身しています。同人は講座受講生ですがカルチャーセンターからの金銭見返りはないそうです。年四回刊でも待ち遠しい同人も居るとの事で活況が良く分かりました。装丁も良く同人誌として他に互しています。上手な運営で書き手には恵まれた場所です。
このように文芸同人誌は特定の数人が献身する事で廉価発行と結集を保っています。
しかし、これまでの同人誌評は作品本位に成りがちで運営を取り上げませんでした。
作品は作家しだいなので作者に恵まれない同人誌には外部評もありませんでし た。
文芸同人会はみんな意欲的に結集し運営し発行しています。熱意は同じだと思います。
運営や財政の努力も紹介してみたいと考え、視点を変えた同人誌紹介を行っています。
当会は伊藤代表と手分けして同人誌閲覧を行う為に役割分担も出来るのです。
作品評は造詣ある代表が行い、わたし外狩は視点を変えて高齢化社会の趣味の会の実情をお知らせしようと思っています。
わたしの所属する「群系の会」は手書き原稿を送り、1頁3500円の分担金を支払っています。
それでも多くの方が寄稿し二百頁超の各号を年二回刊行しています。求心力が有ります。
知名度と質の高さです。これも同人誌の一つの有り方です。しかし、その他も有りです。
複写してプリントした作品集に結集する会も多くみて来ました。費用も格安です。
そこに生き甲斐を見出し、熱中する高齢者も多数なので文芸的芸術性は度外視しています。
そんな、現状のあれこれを私の切り口から紹介していきます。
《参照:外狩雅巳のひろば》
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