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2016年3月 9日 (水)

高橋菊江さんの作品が「民主文学」でも好評=外狩雅巳

 雑誌「民主文学」のサークル同人誌作品評論の担当は、須藤みゆき氏である。「支部誌・同人誌評」と名付けられたコーナーの執筆担当として六頁に渡り評文を書いている。
 「他者の痛みに寄り添う感性」と題して閲読した三十程の紙誌から抜粋した作品評となっている。
 この抜粋評価作品の中に「文芸多摩八号」の高橋菊江「新しい門出を求めて」の評が出ている。
 「戦後間もない時代の女性の自立の困難さについて書かれた作品」と紹介。
  粗筋紹介の後、主人公の牧子が自立を求めた回想部分で父母の言い分に言及し母親の描かれ方等も指摘している。
  娘に女性の自立という考えを根付かせたと書き受け継がれる目標として作品に仕上げた事を評価している。
 この作品は 戦後三か月経過している時点の状況が背景になっている。
 大学生の牧子が敗戦に衝撃を受ける戦争観から導入されている。
 牧子は講演会での沖野教授の敗戦を侵略戦争の結果と糾弾する思想を聴く。翌年公布の日本国憲法の「主権在民」条文への期待を語った。
 そのことに感動し師事して来た牧子は就職依頼をする。教授は手紙で拒否し美貌の才女である美智ならば良いと書いた。
 女子寮を出て自立する矢先の牧子衝撃と前途の不安に揺れる様が良く分かり、その先を読みたい作品だとしている。
 この作品を掲載した「文芸多摩」は民主文学町田支部の支部誌です。大川口支部長は文芸交流会の常連。熱心な方で毎回出席され、会を盛り上げています。
八号は昨年末に発行され、交流会のメンバーにも送付されました。作品合評会は2月29日に町田中央公民館で行いました。
執筆者全員の4人が出席し、前記の高橋菊江さんの作品には、主人公の牧子の今後が読みたいと多くの感想が出ました。作者も苦心した最新作だと説明しました。
戦後七十年の現在は90才になる作者の労作は11人の参加全員が感想を寄せました。出席者の半数の五人が女性です。
交流会は主に五つの団体から集まって月例会を続けて来ました。会員内部の感想とは一味違う外部評を交わしています。
その一つに文芸同志会の伊藤昭一氏は今回の4作品の作品紹介をしています。
 町田文芸交流会の出席者には事前に送付し当日の参考として使用しました。
その後に「民主文学」四月号で大きく取り上げられたことで、町田支部にとって追い風になり九号も充実すると思います。
交流会の三月会合は「みなせ」69号の感想会です。秦野市のみなせ文芸の会の作品集です。年四回刊行の旺盛な同人会です。
交流会宛に送られてくる全国の同人雑誌は回覧して注目作品は文芸同志会内のサイトで紹介しています。
近郊の方は是非とも見学に来てください。遠方の方は作品を送ってください。
《参照:外狩雅巳のひろば






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