「私人」88号の到着報告と同人誌の成り立ちを思う=外狩雅巳
文芸同志会宛の雑誌「私人」88号(発行=〒163-0204東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル7階、朝日カルチャーセンター内。小説作法入門講座・「私人」編集委員会)が到着した。会の伊藤代表が文芸交流会の集まりに来るので、手渡せる。
奥付を見ると発効日も18日である。年に四回発行する為か実務が整備された堅実な会を印象付けられる。
会と言っても文芸同人会ではなく朝日カルチャーセンターの小説作法入門講座が発行元である。
尾高修也講師の受講生が協力して作品提出と編集を行っていて教室講座時に合評をするそうだ。
三月に一度の発行を保障する運営関係を持ち続ける事は非情に安定した組織だと思う。
148頁に男女五人ずつの十人が作品掲載し、講師も特別寄稿をしている。それも連載28回目である。
編集発行を担う4名中の三人が女性である。その一人が編集後記を書いている。
-わたしはこの教室に十年以上通っていますからーとあります。続けてー尾高先生の<小説の作法>を
読んで勉強しなおしますーとあるのでまだまだ通い続けるのだろう。中央文壇への進出を意識した書き手のグループなのかも知れない。
頒価千円とあるが実費は回収できないだろう。印刷も良好で読みやすい。表紙にも主張がある。
受講生であれば誰でも投稿することができ作品は教室で合評されますと送付書で案内している。
朝日カルチャーセンターの受講料で賄うのだろうか。私の加入する「群系の会」は1頁3500の自己負担だ。
文芸同人誌では発行費用が大きな課題である。200頁程度の冊子なら五十万近く必要だろう。
「みなせ文芸の会」ではパソコン活用で十万円程度に抑えているが作業担当の負担が大きい。
行動力が衰えた高齢者の趣味として文芸活動・同人誌発行は各地で行われている。
負担能力にも差が有り高額負担者ばかりではない。カルチャーセンターの同人誌は、授業料のほかに、発行費はかなりの負担であろが、作家になるためのチベーションの継続には必要なのかも知れない。
文芸同人誌には作家と志向者と、生きがいのために書く過程を楽しむ人の二通りがあって、その読みわけが】難しい。
(外狩雅巳・町田文芸交流会事務局長《外狩雅巳のひろば》)
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