三谷幸喜脚本「真田丸」の名セリフ。 まったくわからん!
NHKの「真田丸」は、三谷脚本だというので、面白いのではないかと予測していたら、やっぱりそうでした。軽みが過ぎるという批判もありますが、事大主義から抜け出た若者たちに人気があるのもわかります。
商社ビジネスマンならまず読んでいるコラムを書く商社マンの吉崎達彦氏は次ののような指摘をしています。
<From the Editor> まったくわからん!
日曜夜、NHK大河テレビ『真田丸』を見ていたら、こんなシーンがありました。
草刈正雄演じる真田昌幸は、武田氏の滅亡後に織田方につくことを決めた。贈り物をし、安土に人質も送って、これで安心と思ったその矢先に「本能寺の変」が発生。信長亡き後の天下は一気に不透明になってしまう。信州の真田氏の周辺も大荒れになります。
そこで大泉洋が演じる長男・信幸が父に尋ねます。
「父上の本心をお聞かせください」
「わしの本心か…。ではハッキリ言おう。まったくわからん!」
何というあけすけなおっしゃりよう。大河ドラマの主要人物が、こんな風に取り乱すことが今まであったでしょうか。乱世の中でいろんな策略を凝らしてきた草刈・昌幸ですが、息子を相手に「ぶっちゃけ」る姿はまことに新鮮でした。2月7日放送分の第5回「窮地」では、徳川家康が「伊賀越え」でヘトヘトになるシーンもあり、戦国武将たちのあられもない姿が描かれていました。さすがは三谷幸喜脚本ですな。
それにしても今週は、「まったくわからん!」と叫びたくなるようなことがたくさんありました。世界同時株安、国債はマイナス金利、石油価格の下落はイエレン議長の議会証言でも「まったくわからん」そうです。トランプとサンダースの快進撃は止まらず、北朝鮮のミサイル発射にはどう対応すればいいのか。円高は本来、本誌が予想していたことなのですが、この時期に1ドル110円はいかにも早過ぎます。
ここで極めつけにわけのわからない話のご紹介。2月12日終値ベースで、みずほフィナンシャルグループの株価は155.2円です。1株当たりの配当が7円50銭ですから、配当利回りはなんと4.83%。155.2万円出して1万株買うと、税引き前で7万5000円の配当がつきます。このご時世に、信じられないような高利回りではありませんか。
でも、それは銀行株が売られているから。国債の利回りはゼロになり、貸出先もそんなに伸びないでしょうから、銀行はどうやって資産を運用すればいいのでしょう。
そうだ、いっそのこと、みずほFG株を買えばいいのではないか。と言うと極めつけのブラックジョークですが、何でこんなことになるのかは「まったくわからん!」
時代を映し出すような言葉は、しばしばドラマの中から生まれるのですね。
《参照:溜池通信》
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