「労働者文学」78号に秋沢、黒古、登各氏が執筆=外狩雅巳
「労働者文学」78号が発行された。 同人誌扱いには出来ない文芸雑誌なのだが前号もここで紹介しましたのでその形で続けます。小説「2015年秋、フクシマ」の作者・秋沢陽吉さんのお手配で送られて来たものです。
この小説の内容は、六十代の布木子は夫の死後も種苗店を切り盛りしながら自然農法野菜漬けの仲間と活動中である。 福島第一原発から60キロ地点での商売と漬物作りの仲間達「花風会」活動を書いた作品です。
秋沢さん自身も福島県須賀川の方で労働者文学会の中心的な書き手として活動を続けている。
今回の作品も問題意識を書き込んでいます。当誌は百頁足らずですが読み応えのある雑誌です。
黒古一夫氏の「もう一度、(労働者文学)について」という一文には大いに考えさせられた。
「労働者の組織的戦い」が書かれていない事を指摘する前回の意見を再度深めた作品です。
―労働者の基本的な在り方や意識の意識の所在についてどれだけ自覚的であるかーとマルクスの宣言文から引用し会員の作品の階級的立場を問う文体は迫力がありました。
長い歴史を持つこの雑誌も曲がり角にきているようです。定点観測をする必要がありそうです。
同誌の編集メンバーの一人である登芳久さんとは三十年来の友人です。
文芸同人「慧の会」で知り合い中心的な書き手として活動し会を支えてくれました。
相模文芸クラブにも参加してくれて15年に渡り作品掲載と会合出席を行っています。
現在は文芸家協会での活動や文学学校講師など多忙すぎる行動の日々をこなしています。
登さんも労働者文学に毎号掲載を行っています。掌編小説特集号にも参加しています。
こうした縁も深い雑誌として今後も出来るだけ紹介を続けたいと思います。
《参照:労働者文学会(文京区本郷 3-38-10 さかえビル2F 小川町企画気付)》
《外刈雅巳のひろば》
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