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2016年1月26日 (火)

「群系」(東京)合評会の参加レポート=外狩雅巳

  「群系」(東京)の合評会が1月24日に開催された。その概要を「外狩雅巳のひろば」サイト《「群系」(東京)の合評会》で記した。さらにその詳細についてレポートします。 
 当日の討議は(内向の世代)の文学を巡り主要な時間を費やしている。結果、後半が端折られ小野由貴枝さんの作品論は深まらなかった。
 前半は「地下室人)の思考と対話」と題した草原さんの作品が論議を盛り上げた。副題に秋山駿と後藤明生を持ち出した解説的論でした。
 草原克芳さんは内向というネーミングが表層的だから深まらず今に引き継がれたとのスタンスでロシア文学と比較しながら論を進めている。
 高橋和己の日常性の掘り下げを書く文学と言う処を冒頭にしての書き方がレトリック使用等で上手いので読者を誘い論議が湧いたのです。
  論の中でドストエフスキーと後藤明生の距離を解明している。中村光夫の風俗小説論等も視界に入れての進め方は大変読みやすい。
 そして後半に小林秀雄の作品が欲しい、楽屋話はいらないが作品が楽屋話になっている、との一文を引用し内向の世代の作品を纏めている。
 最後は小説の終焉か?と問いかける中で佐藤春夫が小説は花も実もある嘘八百と言った事を紹介しながら小説の行く末を予測している。
 地下室の無い作品は華やかなページェントに過ぎず、地下室だけの作品は私的ノートに過ぎない。の箇所等は草原さんの文章に感心した。
 参加者が文書発言で風俗小説論との比較が弱いと提起した。小説以前のゲル状思考の発露作品の価値を巡る討論も盛り上がった。
 この論議は二時間近くに渡ったため後半は一時間程度に圧縮された。その中で私の古山高麗雄論も十五分近くも割いて論じてくれた。
  小野さんの作品はもう時間切れなので私が主人公の経歴紹介的な部分を読めばわかると締めくくったため、本人は多少の不服があったようだ。 司会者が会長ファイルと言う題を持ち出しファイルと言う名の小説として終
了した。遠方からの作者には徹底討議を行いたかった。
 開会前に永野悟主宰に雑誌「相模文芸」は一冊に月二回で計十回も合評していると話したら、今後は数回の合評会を持ちたいと言ってくれた。
 読みの達人ばかりの討論なので拝聴は勉強に成ります。論の巧みさが話し方にも現れていて草原さん荻野さん永野さんには感銘を受けました。
 今後は所属する「相模文芸」での討議にも地下室論は参考に成る。作品から地下室の濃淡を読み取り作者を励ましてゆくつもりです。
 また、文芸同人会の将来像も示唆された。文芸交流会の進行にも役立てます。







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