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2015年12月 7日 (月)

「読んで欲しい一文をあえて書かない」 作家ら「文学の学校」

  福島県郡山市出身の作家、古川日出男さん(49)が中心となって東日本大震災の被災地で開く「ただようまなびや 文学の学校」が11月28、29日に郡山市であった。「肉声、肉筆、そして本」をテーマに、第一線の作家ら7人が小説や翻訳、批評などの講座を行い、県内外の約200人が参加した。(海老沢類)
《ディスカッションに先立ち、郡山市内の高校生と交流。その際の様子も話題に》
 1人の女の子から「本を読むのも映画を見るのも好きだけど、表現することができない」と質問を受けたんです。僕は別に表現できなくてもいいと言ったんです。表現できないなら(自分の)引き出しに入れていけばいい。それは後で役に立つんです。表現できないことを恐れてはいけない。
 《28日には川上未映子さんの講座に顔を出し、一人称で書くときの心得や卓抜な比喩の秘密を明かした》
 一人称のうまい書き方は「耳で書く」こと。音を意識して書くといい。音読しなくてもいいんだけど、文章を目で追いながら自分の中で音を響かせるようにするんです。
 比喩はサプライズを与えないと使う意味がない。平凡でもあまりにとっぴでもだめで、ちょっとズレているのがいい。それに瞬間芸です。言葉の引き出しをいっぱいにしておかないと出てこない。
《産経新聞12月7日: 「読んで欲しい一文をあえて書かない」 作家ら「文学の学校」

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コメント

人間の表現は、視覚6割、聴覚2割、触覚1割、臭覚と味覚合わせて1割だそうです。

目と耳で8割というから、なるほど・・目文学作品の表現もそんな比率で書かれているらしいですね。

投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2015年12月 8日 (火) 02時12分

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