回顧文芸2015ー 心に響く苦い記憶の物語
記憶の継承は体験者だけの仕事ではない。戦争を知らない若い作家も新たな戦争文学に挑んだ。
戦地の日常を活写したデビュー作で注目された高橋弘希さん(36)は『朝顔の日』(新潮社)で、内地の病院を舞台に人の生と死を静かに見つめた。
「いま書かなければ、声なき声は消えていく」と戦争体験者に聞き取りを重ねたのは中脇初枝さん(41)。戦禍を生き抜く女性を描く『世界の果てのこどもたち』(講談社)は、国境を超えた絆の形を探る希望の物語でもあった。
産経新聞=文芸 心に響く苦い記憶の物語
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