文芸時評(東京新聞・11月30日)佐々木敦氏
☆上田岳弘「異郷の友人」一貫した路線に気概/☆滝口悠生「死んでいない者」期待に違わぬ傑作
《対象作品》
上田岳弘「異郷の友人」(「新潮」12月号)/福永信「未来へ生きる君へダイ
イングメッセージ」(「すばる」7月号)/同「店」(「新潮」12月号)/黒川創・新連載「岩場の上から」(同)/岡田利規・戯曲「God Bless Baseball」(同)/対談・星野智幸&岸政彦「社会の断片と物語の呪文」(同)/滝口悠生「死んでいない者」(「文學界」12月号)。
(抜粋)――期待に違わぬ力作である。通夜の晩、死んでいなくなって間もない、曾孫まで居るのだからまず大往生と呼んでよかろう男の家族親族たちが、さまざまなことを話したり思いだしたりする、と言ってしまえばそれだけの話なのだが、(中略)読みながら小説の時間と自分の思い出が共振してゆく気がした。(中略)これは相当の傑作である。(後略)。
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