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2015年11月19日 (木)

職業作家の良さを語る=石田衣良氏

 石田衣良というペンネームが変わっているな、と思っていたら、本名が石平というらしい。作家と本業の掛け持ちをしていた時期に、ペンネームが「いしだ・いら」なら、出版社から「石田衣良さん、おられますか」とか電話が会社にかかってきても「ーいしだいらーですか、いますよ。石平さん電話ですよ」と、自然に連絡がとれるようにしたという。そんな話をどっかでしてました。メルマガもするんですね。 
 『 出版の世界って、この15年ぐらい下り坂じゃないですか? そのなかで「電子書籍」は生まれたんですが、それって今までの紙の本と競合するので、結局はゼロサムなんですよね。だから、そうではない新しい形で、出版とネットの世界がうまく連携できる方法はないかということで、ここはひとつ自分でネットの世界を探ってみようかな、と思ったんです。
-- 出版業界も、厳しい状況がずっと続いていますね。
だって、衝撃的ですよ。近くの駅ビルの本屋さんに久しぶりに行ったら、いつの間にか売り場の半分が雑貨屋になってるという……。“え? カバンも売ってるの?”みたいな。そういう光景を目の当たりにするのは、やはりキツイですよ。
個人的には、あと3年ぐらい後、消費税が2度目のアップをするぐらいのタイミングで、大手出版社の一角が倒産してしまうんじゃないかって、それぐらいの強い危機感を持っています。でも、出版の世界の人たちは、みんな「ネットで何ができるんだろうねぇ」と、まだのんびり構えている感じなので……。
とはいえ、出版の世界ってすごく心地いいんですよね。編集者たちは当然みんな優秀なんですけど、いい加減だったり面白かったりと個性があって。そんな人間たちが集まって、あの小説は面白い、いやつまらないなんて言いながら、それで暮らしていける。そんな生態系を少しでも長持ちさせるための、ひとつの手になればなぁと思っています。』「まぐまぐ石田衣良さんインタビュー」より

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