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2015年11月30日 (月)

冲方丁氏の留置場生活体験

  各マスコミが報じたとおり、妻へのDV容疑で逮捕された後、8月31日には釈放され、去る10月15日には不起訴処分が決まりました。その間、冲方逮捕のニュースは思いのほか大きく報じられたようですが、もちろんなんの罪も確定していません。そして不起訴をもって、奪われた自由を取り戻しました。私はこれを身の潔白が証明されたからだと理解しています。
  一貫して私が主張し続けてきたとおりの結果であり、本来、この不起訴をもって「終わった」と満足すべきなのでしょう。しかし、勾留中に留置場内で体験した出来事は、私にとってあまりにもセンセーショナルであったばかりか、これが「誰の身にも起こり得るトラブル」であることを痛感しました。
  なぜ、私は逮捕されたのか? 弁護士と警察と検事の間で繰り広げられた法律ゲームも含め、この不可解な現実を世に明かし、あらためて疑義を呈したい――。これが、こうして私が筆を執るに至った一番の理由です。
  逮捕後に不起訴処分が下されるケースは、決して珍しいものではありません。どのような事情で不起訴に至るのかといえば、それもさまざまなケースがあります。例えば、逮捕はしてみたものの、罪を証明するだけの証拠が見つからなかった場合、あるいは訴えた人間が、なんらかの理由でそれを取り下げた場合などです。
 いずれも検事が判断することであり、私の場合、どのケースに該当するのか、はっきりしません。告知書には、「公訴を提起しない処分をしました」としか書かれていないのです。
  ただ、あえてつけ加えるなら、功を焦った警察の「勇み足」は否めず、結果として大きなニュースとして世を騒がせることにもなりました。
  冲方丁というひとりの小説家を逮捕するや、その事実を喜々としてマスコミにリークした警察側の行動には、今も大いに疑問を感じています。本来ならば、不当な逮捕に対して警察を名誉棄損で訴えたいですし、実際に、法にのっとった刑事補償手続を行なうことも考えました。私には警察を訴える権利がありますし、国家賠償請求を行なうことだって現実的に可能でしょう。
  しかし、この手の賠償額は、勾留一日当たり最高額が1万2500円と決まっており、私がどれほど頑張っても、得られるのは最大で計11万2500円なのです。これをはした金と呼ぶつもりはありませんが、今回の一連の出来事を水に流すのにふさわしい金額とはとても思えません。
  勾留中の9日間、警察は被疑者の心を全力で折りにかかります。そのための手口や留置場内の様相は、時に筆舌(ひつぜつ)に尽くしがたく、歪(いびつ)で滑稽(こっけい)なものでした。
  「これでは多くの人間が、楽になりたいがために、嘘の自白を選択しかねない」と、驚愕(きょうがく)しながら思ったものです。
  こうした、留置場の中だからこそ体験できたこと、知ったことは、あまりにも興味深い事象ばかりでした。私がこの理不尽な9日間を耐えしのぐことができたのも、ひとえに物書きとしての興味と関心、そして警察と検察への大きな怒りが原動力となったからです。
《参照:妻へのDV容疑で逮捕された作家・冲方丁が独占手記を発表

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2015年11月28日 (土)

創作とリアリティーの関係=井上死刑囚の証言

 小説においては、それが作り話であるがゆえに、説得力をもたすため、微に入り細に入り描写と説明に苦心する。もし、それが本当にあったことだったり、経験したことであったりすると、無意識のうちに簡単に書いてしまう場合がある。そのあたりを意識して「文学的真実と事実はどう異なるのか
  オウム真理教元信者・菊地直子氏の判決で、一審では実刑判決だったものが、一転高裁で無罪。一審有罪の根拠となった教団幹部で死刑囚の井上嘉浩死刑囚の証言の信用性を、高裁では認めず無罪を言い渡した。
 その理由の一つが、「(井上証言)は不自然に詳細かつ具体的で、信用できない」というものだ。
 

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2015年11月27日 (金)

文芸交流会事務局到着の同人誌等の報告=外狩雅巳

 晩秋が足早に去ってゆくと文芸愛好家たちも今年の纏めを急ぎだすようだ。
 先週は文芸同人誌三冊・個人出版二冊の合計五冊が手元に集まった。
 詩集「氷の記憶」私家本・土井秀雄著
 伝記「ユダヤ難民を救った男」(木内是壽著・アジア文化社刊)
 同人誌「さくさく」63号(発行・文学市場 11月15日、台東区三筋1-4-1-703 坂本良介)
 同人誌【「駝の瘤・通信10」(発行・11月11日、福島市蓬莱町1-9-20 木村方雪の下文庫)
 同人誌「飛行船」18号(発行・飛行船の会。徳島市通町2丁目12 竹内菊代方)。
 「「駝の瘤」以外の四誌は、いずれも顔を見知った方から送られて来たので親密感も一入である。
 先ず飛行船の会の人は「文学街」の進める全国同人雑誌交流の会合で逢っています。
 文学市場の会員は多数知っています。以前池袋で同人会の会合場所が同じでした。
 主宰した【慧の会】が私の相模原移転で終刊になり同人の数人が移っています。
 詩集の著者・土井さんは三十年来の知人です。一度は彼の詩集発行人になりました。
 木内さんは相模文芸会員です。作家・五十嵐勉氏のアジア文化社で出版しました。
 友人知人は年賀状だけの仲に成りがちですが文芸の仲間意識があれば永続します。
 近隣在住の文芸仲間は町田交流会の月例会合に誘いますが遠方では不可能です。
 詩誌交換も交流として捉える工夫をしています。過去に顔を合わせた事は大切です。
 個人本や同人誌が完成すれば真っ先に送り送られて励まし合う事にしています。
 高齢化が進んでいます。外出不可能な方も増えましたが本で交流が続いています。
 《参照:外狩雅巳のひろば》  

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2015年11月24日 (火)

文学フリマ東京11月23日の会のブース風景

 文芸同志会の第21回「文学フリマ東京」の参加ブースの周辺情報でです。<「第二十一回文学フリマ東京」での文芸同志会のブース

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2015年11月23日 (月)

「第二十一回文学フリマ東京」11月23日(月)開催

本日11月23日(月祝)に「第二十回文学フリマ」が開催される。
☆第二十一回文学フリマ東京。 開催日 2015年11月23日(月祝)。 開催時間 11:00~17:00
会場 東京流通センター 第二展示場
※入場無料
※当日会場にて出店者カタログを無料配布!(なくなり次第終了)
詳しくは「第二十一回文学フリマ東京 開催情報」で。」◆第二十一回文学フリマの情報収集は下記サイトをご覧ください
文学フリマWebカタログ
ソーシャルイベントマップeventmesh
エブリスタ 立ち読みカタログ
【文学フリマWebカタログ】なら……1. 出店者のサイトを巡回せずとも、事前に販売・配布物の情報を確認で
きる。 2. 気になるブースを事前に「気になる!」登録できる。 3. 文学フリマ開催中にもモバイル端末から「気になる!」ブースを確認し、 「訪問済」や「あとで」の登録がでる。 4. 配置図を 「eventmesh」 ですぐに確認できます!
【ソーシャルイベントマップeventmesh】はWebカタログと相互でリンクが設定されており、簡単に行き来ができるようになっている。
「eventmesh」は、即売会や展示会など、さまざまなイベントに対応した、ソーシャル・イベントマップです。配置図の閲覧はもちろんのこと、配置図上のブース番号をクリックすると出店者のカタログ情報が表示される。
以下、事務局情報より。
・『文学フリマガイドブック 2015年秋(通算第8号)』を会場で販売!
「文学フリマガイドブック」とは過去の文学フリマにおいて販売された同人誌のなかで有志の読者によって推薦されたものを紹介する本です。
「第二十一回文学フリマ東京」の会場で販売いたします。当日購入をご希望の方は、1Fロビー事務局ブース及び、文学フリマガイドブック編集委員会のブース(D-03,04)にてお買い求めいただけます。
『文学フリマガイドブック 2015年秋(通算第8号)』
発行:文学フリマガイドブック編集委員会
価格:200円
判型:A5判
頁数:60ページ(表紙込み)

事前に下記URLにて公開中の
文学フリマ事務局×文学フリマガイドブック編集委員会対談」をお読みいただくと、よりガイドブックをお楽しみいただけます。
 また、1Fロビー事務局ブースでは2011年11月に刊行された『これからの「文学フリマ」の話をしよう~文学フリマ10周年記念文集~』も販売しています。この本での話題や提言が文学フリマ大阪やガイドブック、そして文学フリマ百都市構想がうまれるきっかけとなりました。まだお持ちでないこの機会にぜひお求めください。残部希少です!
『これからの「文学フリマ」の話をしよう~文学フリマ10周年記念文集~』
発行:文学フリマ事務局(2011年11月刊)
価格:500円
判型:A5判
頁数:120ページ(表紙込み)

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2015年11月20日 (金)

文芸雑誌「ガランス」23号(福岡市)

  【「電波塔」大原裕】
   三郎はある日、町に建てられた電波塔が、町民を洗脳し、操っていることを、何の理由もなくわかってしまう。そこで、なんとかそのことを町民に知らせようとする。電波塔の前で座り込みをするが、家族からは離婚され、町からは精神変調者として強制入院させられる。SF小説として物語性に物足りないところがあるものの、重要なメッセージ性をもつ。実際に、国連が世界各国の言論の自由度を測る調査を実施しようしている。日本政府は、その対象になることを、拒否したという。これは、政府がメディアを使って世論操作、洗脳していることを、世界に知られたくないためであろう。なんとなく変な、現在の日本を象徴したような不気味な効果をもつ。
  【「蟄虫」小笠原範夫】
   主人公「わし」は(古いけど、今回はローカル色がでている)、親から相続したおんぼろ屋敷に住んで三年。親の面倒はすべて弟の哲也がみて世間からの見送りを済ませていて、田舎の両親の家を主人公に相続させてくれた。ダメな長男を立てる、しきたりを守る律儀者の弟らしい。
   「わし」は、引きこもり系の男だが、独り身は寂しいので、見合い形式で咲子という女性と知り合いになる。若者のラブストーリーのような仲になりたいと、サキと呼んだりするようになる。やがて、気の合ったところで、サキは通いお泊りから、同居することになる。すると、浜村に横恋慕していた男がふたりの仲をさいて奪おうとする。主人公の自分(ゴシック体で書く)が、老後プランについて、「わしの仲の自分が騒ぎはじめた。――虫のように生きても、虫のように死にたくないぞ。――隠者と決めたからには虫のような孤独死がさだめだ。人知れず死んで郷里の山野に白骨をさらせば、本望じゃないか、と自分に説き聞かせた。――となるのだが、理屈はそうでも、別の自分は、そんなのはいやだと泣きつく。そうした矛盾した自己心と向き合いながら生きていく経緯が説得力をもって、語られている。人間の他者愛と自己愛の姿を、エピソードを面白く挟んでいて、小説は細部に生命が宿るということを良く示している。良くもなければ悪くもない人生。その晩年の実相を味わい深く表現している。
  【art review2015「記憶は過去形ではない」ミツコ田部】
 前号の「Garance」22号の「もう芥川賞はいらない」も読んだが、これは現在の文学のあり方一つの批判として興味深く読んだ。きちんと書かれているが、たまたまの受賞作品への傾向批判となってしまいがち。芥川賞文学が文学全体への批判になりえないところに、課題があるようだ。「記憶は過去形ではない」は、それは人の心に深く刻みこまれて、消えることのない強固なビジョンであることを語り、大いに共感した。
 発行所=〒812-0044福岡市博多区千代3-21、(株)梓書院内、ガランスの会。小笠原範夫。
紹介者=「詩人回廊」編集人・伊藤昭一。

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2015年11月19日 (木)

職業作家の良さを語る=石田衣良氏

 石田衣良というペンネームが変わっているな、と思っていたら、本名が石平というらしい。作家と本業の掛け持ちをしていた時期に、ペンネームが「いしだ・いら」なら、出版社から「石田衣良さん、おられますか」とか電話が会社にかかってきても「ーいしだいらーですか、いますよ。石平さん電話ですよ」と、自然に連絡がとれるようにしたという。そんな話をどっかでしてました。メルマガもするんですね。 
 『 出版の世界って、この15年ぐらい下り坂じゃないですか? そのなかで「電子書籍」は生まれたんですが、それって今までの紙の本と競合するので、結局はゼロサムなんですよね。だから、そうではない新しい形で、出版とネットの世界がうまく連携できる方法はないかということで、ここはひとつ自分でネットの世界を探ってみようかな、と思ったんです。
-- 出版業界も、厳しい状況がずっと続いていますね。
だって、衝撃的ですよ。近くの駅ビルの本屋さんに久しぶりに行ったら、いつの間にか売り場の半分が雑貨屋になってるという……。“え? カバンも売ってるの?”みたいな。そういう光景を目の当たりにするのは、やはりキツイですよ。
個人的には、あと3年ぐらい後、消費税が2度目のアップをするぐらいのタイミングで、大手出版社の一角が倒産してしまうんじゃないかって、それぐらいの強い危機感を持っています。でも、出版の世界の人たちは、みんな「ネットで何ができるんだろうねぇ」と、まだのんびり構えている感じなので……。
とはいえ、出版の世界ってすごく心地いいんですよね。編集者たちは当然みんな優秀なんですけど、いい加減だったり面白かったりと個性があって。そんな人間たちが集まって、あの小説は面白い、いやつまらないなんて言いながら、それで暮らしていける。そんな生態系を少しでも長持ちさせるための、ひとつの手になればなぁと思っています。』「まぐまぐ石田衣良さんインタビュー」より

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2015年11月18日 (水)

同人誌評「図書新聞」(2015年11月7日)志村有弘 氏

青春の悔いと文学仲間の苛烈な人生を綴る立花健の現代小説(「九州文學」)――幕末の画家を描く柴田宗徳の歴史小説(「流氷群」)。戦争反対を叫ぶ詩
 対象作品=立花健の「川は流れる」(九州文學第554号)/大塚古史郎の「大夕張」(青の時代第42集)/東一穂の「孤高の艦―最後の突撃―」(照葉樹第二期第八号)/小川悦子の「『私だけは』と思っていたのに―ある詐欺未遂事件ドキュメント―」(新現実第125号)/新谷康陽の実録「我が家で起きた「オレオレ詐欺未遂事件」」(播火第96号)/川瀬健一の「亡き友を偲んで」(Pegada第16号)/柴田宗徳の「画狂・為恭」(流氷群第58号)/豊岡靖子の「江戸深川 呉服店岩田屋の女房」(あべの文学第21号)/詩誌「コールサック」(第83号)主宰者鈴木比佐雄は「不戦の若者たち」と題する詩で、「九条こわすな」「戦争法案反対」を叫ぶ高校生たちの姿を示し、宗左近が「戦争中でも人を殺したくなくて/身体を壊し精神の異常を訴えて徴兵を避けた」と記し、鈴木の父は中国戦線から帰還したのちアル中となり死んでいったことを綴る。鈴木の父も一人の戦争犠牲者であった。
 短歌では、西尾清子の「花冷えの朝」(中部ペん第22号)と題する「思い出を繋ぎて生命の糧とする老父は一言「今日過ぎた」と」が心に染みる。
 研究領域では、「吉村昭研究」が31号を重ね、同誌の別冊ともいえる「吉村昭資料集2 著作年表・初出一覧」(桑原文明編)が吉村の全仕事を知り得る労作。「甲蟲派」第5号に石上玄一郎の未発表講演「図書館と作家―柴の虫の繰り言」が掲載されていて貴重。「近代文学資料研究」(同研究会発行)が創刊され、加藤美奈子の倉敷市蔵「薄田泣菫文庫」の与謝野寛・晶子・山川登美子の泣菫宛の書簡等を影印で示し、その不可解さを考察する論、塩谷昌弘の鈴木彦次郎筆金田一光追慕碑をめぐる論など、示唆に富む論考が並ぶ。
 追悼号として、「象」第82
号が藤森節子、「船団」第106号が杉本秀太郎、「タクラマカン」第53号が岡見裕輔、「花」第64号が佐々木登美子、「播火」第96号が一畑耕(曽我部博)・後藤茂(含訃報)。御冥福をお祈りしたい。
《参照:図書新聞(志村有弘相模女子大学名誉教授) 2015年11月07日

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2015年11月16日 (月)

政治と状況への自己表現について=外狩雅巳(投稿)

文芸作品は論文や意見書ではないと思い物語の筋書きと人物を用意して書いてきました。
乏しい体験や興味をかき集め何作か書きました。似た様な物語と詩的な雰囲気ばかりです。
意欲も薄れ体験も尽きました。書きたいものが無くなれば生き甲斐にも影響します。
北一郎氏が散文詩の素質ありと支持してくれたので新規に表現への挑戦を試みています。
労働組合運動や思想活動の過去があります。現在の政治状況には言い分があります。
これを作品化する為の工夫の糸口が少し出来ました。「詩人回廊」掲載中の実験作「工場と時計と細胞と」がそれです。
※今年の安倍政権が行った安保法案への反対運動は若者にもひろがっています。
 個人の自発性や自由希求を緩やかに集めて大きな国民運動にする手法です。
 高橋源一郎等の著作に盛られているので販売に利用した事も記事になりました。
  半世紀前、労働運動から社会変革に目覚めた頃。個人主義を諫められました。
  組織を個人の上に置き、変革(革命)の為に団結し規律を守り闘争する事と諭されました。
  社会と世界を見る目を学ぶ必要を説かれました。階級闘争の視点を学びました。
  過激な跳ね上がり性分で組織に馴染めず文芸へ方向を変え自分流に生き続けました。
   でも、今は革命政党すら個人主義の若者運動を支持し国民連合政府を唱えています。
  この不思議さを作品化する事にしました。政治状況への発信を文芸作品で出来るのか。
 小説に生の政治論文を入れ込めば破綻します。工夫の為所です。小説に拘らずに書くのです。
 力量不足です。北一郎氏や読者の知恵を借りたいのです。型破りの作品では駄目ですか。
《参照:外狩雅巳のひろば》 
☆北 一郎のコメント=自分にとって書くことは生活のおしゃれ、彩りですが、人によっては、生き甲斐になる場合もあります。外狩文学は、文学が個人的なものであるのに対し、それを社会的な運動にも生かそうとする精神があります。それが通常の文学的自己表現と異質な個性を生んでいます。普通は書くことがなければ、それはそれで大いに結構なことです。それは思想と結びつけが、創作手法としてやりつくしたつもりだからでしょう。文学的には、このいきづまり感こそ、重要なテーマでそれを自己表現とすれば、まだまだ書ききれないものがたくさんあるでしょう。 「詩人回廊」をそうした新創作法の開拓に活用しているのは、大変有意義なのではないでしょうか。


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2015年11月15日 (日)

著者メッセージ: 秋川滝美さん 『幸腹な百貨店』

  目まぐるしく駆け抜けたバブルという時代。あの狂乱の時代を経験した者たちは、巨大な泡が弾けたあとどのように生き、今何を思っているのか――
 『幸腹な百貨店』は、そんなバブルの申し子が、バブルなんて教科書でしか知らない若者たちとともにすったもんだする物語です。
  彼らとは価値観が違う、わかり合えるはずがない、と思い込み、極力関わらないようにしていた主人公、高橋伝治が、偶然目にしたポスターに興味を引かれ、それを作った人間に会いに行ったことから、若者たちとの交流が始まります。
  今時の若者の考え方に眉を顰めたり、目を開かれたりしながら、伝治はかつて勤めた百貨店の経営不振を打開する方法を探っていきます。結果なんてなかなか出ません。けれど、伝治は、小さくてもいい、遠くてもいい、どこかに灯りが見えないものかと探し続けます。
  百貨店の売り場だけに留まらず、レストラン、喫茶店、団子屋、小料理屋、果ては社員食堂といった場で大いに呑み食いし、意見を交わしながら対策を練る伝治たち。彼らは一丸となることができるのか、それによって生まれるものはあるのか。
  バブル世代と非バブル世代による奮闘記。ちょっと読んでみたいな、と思っていただけると幸いです。(秋川滝美)(講談社『BOOK倶楽部メール』 2015年11月15日号)

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2015年11月14日 (土)

作家とともに図書館にむけて貸出猶予を求める=新潮社

パシフィコ横浜(横浜市・西区)で開かれた第17回「図書館総合展」のフォーラムで、新潮社・佐藤社長が複本や新刊の貸出猶予について「著者からの声が強く、放置できないほどになっている」と現状を説明した。年内をめどに、作家とともに図書館にむけて貸出猶予を求める要望書を発表する予定。猶予期間は1年間。佐藤社長は、対象とされる本は「著者と出版社が合意した本」に限定し「日本図書館協会などとの決めごとではなく、(公共図書館への)お願いごとであり、節度、程度問題」であることを強調。「著者に(執筆への)モチベーションを与えられないと、最終的には出版文化の衰退につながる」と危惧した。(11月11日「新文化」より)

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2015年11月13日 (金)

文芸同人誌「メタセコイア」第12号(大阪市)

 今号は先号のライフスタイル小説集のような傾向に対し、純文学的精神に触っている感触の創作がいくつかあった。
【「神の水溜り」水上ヤスコ】
 印象を先にいうと、深読みの可能な良質な小説である。精一という男が、一人暮らしをしている伯母の民江を訪ねる。民江は、新興宗教の教祖的な霊媒体質をもっていて、ある事件を起こしている。近所からの異変通報で、民江と同居していた叔父と従姉弟の雪枝が白装束のまま餓死しており、民江が衰弱したまま、そこで倒れていた。警察は責任能力をとえないとして、彼女を釈放する。 その間に精一と民江の関係、近所付き合いのこまごまとした逸話がある。自己表現中心的で、作品的には説明不足。よく原因はわかないが、人的な災害かなにかで民江が死んでいるのを発見して終わる。このような終わり方ならば、前半部からもっと緊張感をもたせた書き方が適当に思えるが、そうでないところが関西風なのであろう。そうした不完全性とは別に、民衆の生と死、新興宗教、高齢者、災害と、日本の現代の縮図のような雰囲気をよく描き出している。寓意性を持たせるという視線があれば、もっとまとまりのある作品になったのではないだろうか。
【「鉄路の先に」櫻小路閑】
 これもかなり面白い。語り手の「僕」は、区役所の職員で、決まりきった仕事のなかで、意欲的でない仕事ぶりをしている。内密に各種資格試験をとって、次の事態の変化に備えてはいる。時刻表と首っ引きで、鉄道乗りを楽しむ。僕の愛読書は、ドストエフスキーである。日常生活の単調な暮らしのなかへ、異常な非日常性の物語をぶち込む体質のドストエフスキーを読む。ドストエフスキー日常性への憎悪の裏返しとして、平穏な生活者の私がそれを皮肉っている意味にも受け取れる。ほんとうは人間の社会性への、批判的な凄みをもつ精神があると思わせるのだが、引きこもり的な、さりげない表現なのは、やはり関西風なのか。
「がんもどき」多田正明】
 70歳を超えて、胃がんになって手術する。それまでの経過と、その後の身体の状況を、実に手際よく整理して書いている。そうなのかと、読んで役立つ手記風物語である。なにがあってもおかしくない年代層の手術や抗がん剤治療への疑問を持ちながら、周囲との流れで、手術し胃を摘出する。その経過が冷静に記録されている。高齢者にはおすすめの一文である。
 〒546-0033大阪市東住吉区南田辺2-5-1、多田方。メタセコイアの会。
紹介者=「詩人回廊」編集人・伊藤昭一。


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2015年11月12日 (木)

文芸月評11月(読売新聞)文化部・待田晋哉記者

先月は「新潮」「すばる」「文芸」の新人賞と、今回から模様替えした「群像新人評論賞」も発表された。そのうち、文芸賞を受賞した山下紘加ひろかさん(21)の「ドール」に躍動感がある。中学校でいじめられ、家に居場所がなく、ラブドールと暮らす少年。性と暴力の衝動が、漏斗が狭まってゆくように血の色をした一点へ向け収束する。
 新潮新人賞の高橋有機子さん(34)の「恐竜たちは夏に祈る」は、社会にうまくなじめない女性が、ほかの家族の犠牲になり、老人介護を押しつけられる題材が現代的だ。すばる文学賞の黒名ひろみさん(47)の「温泉妖精」も介護職の女性が主人公だった。《文芸月評ー20世紀の切ない恋愛
 高齢化の時代。阿部公彦まさひこさん(48)の評論『幼さという戦略』(朝日新聞出版)は、老人と孫などの世代が介護を通して向き合う小説が最近目立つとして、老いた人と幼い人の「弱さの結束」を語る物語の可能性を説く。気になる潮流だ。(文化部 待田晋哉)

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2015年11月11日 (水)

交流会活動への根保さんコメント感謝と報告など=外狩雅巳

  文芸交流会等の報告をサイトで発信すると北海道の評論家・根保さんが度々コメントしてくれます。
  今回も相模文芸と交流会の情報を載せたら早速励ましてくれました。いつもありがとうございます。
  御存知のように以前は関東文芸交流会が開催されていましたが現在は五十嵐氏の都合で休会中です。
  私は関東交流会に出席し多くの同人誌主宰者などと懇意になりました。永野悟氏の「群系」にも加入しました。
 また、会員の資格で「文芸同志会通信」でも発信するようになりました。同人誌交換も多数出来るようになりました。
 そこで、せめて近郊の同人会だけでも集まって交流しようと町田交流会を始めました。
 相模文芸が月二回もの会合を行うので。町田交流会はその間を見つけ月一度おこなっています。
 交流の集まりなので雑誌発行は行いません。各誌の作品を順次に合評する事が主になっています。
 五六の団体から十人程度の方が交代で出席しています。毎回では六人程度の少人数で行います。
 常連も居ますが新規の方も来ます。参加費は会場費等に五百円を集め運営費・連絡費にしています。
 同人誌作品以外にも出版本やパンフなども印刷されていれば取り上げ合評を行っています。
 「民主文学」町田支部、秦野文芸同人会、みなせ文芸の会・、っぴの靴下、相模文芸クラブ、文芸同志会など、
それぞれの所属会員が個人として出席しています。交流会には役職もなく私が連絡係をしています。
 最近は交流会宛に全国各地から同人誌が集まります。交流として扱い会合で出席者に回覧しています。
 今後は閲覧者が感想を発表するように促します。サイトに掲載して全国へ発信する事も考えています。
 また、相模文芸会合でも回覧しています。他誌を知らない人が多く珍しがり興味を示してくれます。
 根保さんは「相模文芸」誌を精読してくれます。気になった作品には評を行いブログで発信されています。
 そのたびに会合で報告しています。会員も外部からの評が貰えて気にしています。
 個人で全作品の精読と作品評発信は無理なので同人会や交流会などの集団で手分けしたいと思っています。
 また、代表作品の評だけでは他の作者が満足しないでしょう。全作品の合評が必要と考えています。
 相模文芸は月二回の会合で毎回出席作者の二作品程度を巻頭から順次最後まで行っています。
 掲載すれば会合に出れば自作の全員感想が聴けるので毎回二十人前後の出席があります。
 さらに、外部評が欲しければ交流会に出席すればよいのです。
 世話役も多忙ですが今後も続けるつもりです。
《参照:外狩雅巳のひろば》  






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2015年11月 9日 (月)

文芸同人誌「群系」第35号(東京)

 本号では、日本文学の特集で「内向の世代」と「戦後の日本映画」がテーマで、各同人が分担して書いているようだ。作家別文学論集のような装いを呈している。小説は1編だけである。
【会長ファイル3「十五万市民の中には」小野友貴枝】
 福祉施設の会長をしていた主人公の英田真希が、市役所の元福祉部長をしていた男と電車のなかで、出会う。全国組織の医療福祉法人に理事をしていた英田真希が、64歳で定年退職。その後、市長の推薦で、地位の福祉センターの会長職にあった時期のことを、出会った元福祉部長との関連で、回想するきっかけになる。
 地域の福祉センターは、市から2人が出向してきており、あとは16人のセンター員が働く。会員と寄付や市の支援が運営資金であるらしい。会長は週2回出勤で、組織の動向を把握しにくいなか、不合理な運営の改善や企業の寄付金を増やすなど、改善をしていくが、市には市の事情があり、改革の余地を残しながら、退任させられるのであるが、少しでも市民の生活に貢献したことを誇りに思うというもの。市役所という地域自治体の曖昧な組織風土がそれとなくにじみ出ている。
【「シャーキャ・ノート~原始仏教残影(8)最終回」古谷恭介】
 現代の仏教事情から、原始仏教の姿を想像しながら、執筆しており、読み応えがあった。私の家は浄土真宗であるが、親鸞聖人の説と連如聖人の布教の過程の矛盾した残像が、檀家寺に存在している。また、自身では座禅修行の金剛経道に参加したことがある。この連載では、現代的に文字化されたものを資料として、原始仏教を分析している。金剛経道の座禅で実感したのは、禅精神もあるが、この時代は文字がなく、すべて口承で伝わったものであろうということだ。リズムカルで、繰り返しが多く、意味の重複など、暗記で伝わったものにもかかわらず、きちんと論理的に一貫している。その不思議さに感銘をうける。
 本稿ではシャーキャの死における説話の多様性が指摘されている。これは、他人からのまた聞きだが、仏陀の論理というものが存在するらしい。論理学哲学者が明らかにしていて、この論理から外れる説は、すべて他の教祖の説だという。例えば、死後の世界についての天国、極楽などのお話は、すべて仏陀の説にはないそうである。
編集部=136-0072江東区大島7-28-1-1336、永野方。「群系の会」
紹介者=「詩人回廊」北一郎。

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2015年11月 8日 (日)

文芸同人誌評 「週刊読書人」(2015年10月30日)白川正芳氏

高橋弘美「野菜の詩」(「微燈」2015号)
福原義春(資生堂名誉会長)「時々の漂着物1 頭に鳴っているメロディ」(「ほほづゑ」86号)、「美濃文学」92号小特集「声」より清水亮鳴「身近な生き物たち」、中山みどり「遠きボーイフレンド」(「連用形」35号)
今村裕子「シンデレラ」おばさん」(「全作家」99号)、下地ヒロユキ「バラの深遠」(「宮古島文学」11号)、久保順子「サバイバルゲーム」(「いずみ」2号)、米田勉「無知の狭間で」(「鉄道林」54号)
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2015年11月 7日 (土)

著者メッセージ: 朝井リョウさん 『世にも奇妙な君物語』

  私は最近、フィクションの中の人間の行動において、それ相応の「理由」が求められすぎていることに辟易している。理由とは時に「このキャラはこんなことをしない」という指摘に形を変えて、物語の足枷となる。そんな
 風潮に辟易した私がよく観るのが、『世にも奇妙な物語』だ。仇討ちが許されている世界、とある部屋から出られなくなる世界――あらゆる不可思議な世界が物語の舞台となるが、誰もその世界が生まれた理由を問わない。なんて自由なんだろう、と羨んでいたら、いつのまにか五編、書いてしまってい た。
  ただ、せっかくなので、ドラマでは不可能な、小説でしかできない仕掛けを施した。最後の話まで辿り着いたときは、その仕掛けにほくそ笑んでいただきたい。    (朝井リョウ)(講談社『BOOK倶楽部メール』 2015年11月1日号より)

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2015年11月 6日 (金)

「淡路島文学」11号と「ガランス」22・23号が到着=外狩雅巳

秋です。同人雑誌の発行が盛んです。今週は「淡路島文学」11号と「ガランス」22号・23の三冊が届きました。
 淡路島文学(〒156-0016  兵庫県洲本市下内膳272-2  北原方 淡路島文学同人会)
 ガランス(〒812-0044  福岡市博多区千代3丁目2-1【株】梓書院内 ガランスの会)
 淡路島文学には合評会の通知が掲載されている。11号では「合評会は同人誌ではいちばん大切にしている会合です」と期日をしらせて各号毎に一度の合評会を行っているらしい。この他に懇親会もあり44名が出席している。淡路島内に17名の会員を擁する大きな同人会である。創刊八年目で十ケ月毎の発行で今号は190頁と分厚い。受贈誌一覧には40もの同人誌名が並んでいて全国的な知名度だ。後記に年間50冊の受贈誌と記されている。更に続けて全てへの返信や批評は送れないがに外部からの作品評は会合で全員配布する事が記載されている。伊藤氏の話では、北原文夫氏は農民文学賞受賞作家で、知り合いだという。《参照: 「淡路島文学」神戸新聞記事
 「ガランス」では月例会開催への参加を呼び掛けている。九州各地に10名の会員が散在する事が住所録でわかる。月例会は隔月に例会と交流会と呼称しているが毎月の開催は大変であろうが、同人誌にかける意気込みがわかる。
このように到着した雑誌は、文芸同志会の伊藤昭一代表とも読み合って、その作風などの解説を町田文芸交流会で話合います。
《参照:外狩雅巳のひろば》  


 

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2015年11月 5日 (木)

町田文芸交流会「10月30日の集い」の状況から=事務局・外狩雅巳

地域の文芸愛好家の集う文芸同人誌の「町田文芸交流会」は各自別々の同人会所属者が集まり気軽に楽しんでいる。首都圏の利便性で、安定した運営が続いている。
 旺盛に作品発表する小野友貴枝氏も独自に「普恋洞(フレンド)」(秦野市)という同人誌を主宰しているが、外部評を求めて参加している。
 10月30日の会合では彼女の雑誌「文芸思潮」の第11回エッセイ賞で優秀作となった「麓の街」について話し合った。迫力のある筆致で体験を読者に届けた秀作である。
 看護の仕事で体験も多く題材には困らないと言っている。今回の作品は十枚の規定がある随筆である。
 多くの体験を創作化しているが今回に続き群系30号にも小説を掲載している。次の例会で合評予定である。
 勢いは衰えず、近々には日記の集大成を冊子にして発行する。完成後には交流会で合評したいと思っている。
 「みなせ」の岡森編集長も出席し、元気である。年四回の発行に精力的に取組みその上自作品を大量に掲載中である。そこで、文芸同志会の伊藤から、岡森氏の作品を「みなせ」ホームページからピックアップして、「暮らしのノートITO」に評論の傾向記事として採用することの提案が行われた。そこで合意が成立した。まもなくその実践に入る予定である。
 また、伊藤氏は同人誌「星座盤」の水無月うららさんの作品が、「三田文学」からの同人雑誌推薦として、雑誌「文学界」に転載されたことについて、文芸雑誌編集者の視線の傾向について考えるヒントになると、回覧した。
 今月四日には「相模文芸」の例会も行われた。17名の参加で詩と小説の各一作品を全員発言で三時間行った。
 同人誌読者は殆んどが仲間内だけです。作者は一言も聞き漏らさないよう気を張って臨んでいます。
 高齢化する同人誌仲間ですが月に二回も合評会を持ち三十近い全作品を丁寧に討論しています。
 全員の生き甲斐になるよう。どんな短い作品でも一時間以上かけて感想を全員発言しています。
関連情報《外狩雅巳・町田文芸交流会レポート
 

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2015年11月 4日 (水)

ドキュメンタリーと抒情

  体験を直接的に表現できるのが詩である。体験というものは未来に存在しない。つねに過去に置き去られている。ある意味で、これは定石のようなものだ。そのためか、三好達治は詩集「測量船」に「僕は」で、--僕は、僕はもう疲れてしまった。僕はもう、自分の歌を歌ってしまった、この笛吹くな、この笛はもうならない、--としている。
 大岡信は、これに冷水を浴びせる詩を伊藤静雄が書いているという。
 伊藤静雄は「寧ろ彼らが私のけふの日を歌う」において、--輝かしかった短い日のことを/ひとびとは歌ふ/ひとびとの思い出の中で/それらは狡く/いい時と場所をえらんだのだ/ただ一つの沼が世界ぢゅうにひろごり/ひとの目を囚へるいづれもの沼は/それでもちっぽけですんだのだ/私はうたわない/短かかった輝かしい日のことを/寧ろ彼らが私のけふの日をうたふーーと書く。
 大岡信はこれを、伊東静雄が過去の輝かし日(主題)に向かうのではなく、逆に現在の彼自身(主題)の中に過去の日々を吸い取り、存在の記憶を現在化し、非時間化してしまおうと考えたのではないか、という。
 なぜ、こんなことを話題にするかというと、文芸同志会として、「詩人回廊」の仮題「工場と時計と細胞と」を、叙事詩として、「外狩雅巳の世界2016」のメイン作品にする計画を考えている。北一郎は、前述のような手法を前提に、解説をどうするか考えている。「なんじゃ、これは?」言われるか。どうなるかわからないがやってみようか、という気分である。
 すでにわかっていることを書くなら、ミステリーでも書けばいいのだから。

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2015年11月 3日 (火)

西日本文学展望「西日本新聞」15年10月30日朝刊長野秀樹氏

題「ベテラン」
長崎県高等学校文芸コンクール「小説部門」より最優秀賞は針尾健太さん「友情を越えて」(猶興館高校3年)・優秀賞は森永歩乃佳さん「唯一無二の親友の公式」(猶興館高校3年)・優良賞は山本花さん「涙の道化師とシンデレラ」(佐世保高校1年)
白石すみほさん「微笑」(「ふたり」14号、佐賀県唐津市)、紺野夏子さん「遙おばさんの丘の家」(「南風」38号、福岡市)
伊藤幸雄さん『変化観音』(エポック社)、園村昌弘さん「大二郎」(「詩と眞實」796号、熊本市)、「周炎」56号(北九州市)より奥信子さん「遺言」、尾木成光さん「アキコ」、暮安翠さん「色褪(あ)せる時まで」
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2015年11月 2日 (月)

文芸時評10月(東京新聞10月29日・夕刊)佐々木敦氏

本谷有希子「異類婚姻譚」身につまされる想像力
木下古栗「GLOBARISE」露骨な危うさ放つ
《対象作品》新潮新人賞・高橋有機子「恐竜たちは夏に祈る」/すばる文学賞・黒名ひろみ「温泉妖精」(佳作・竹林美佳「知に満つる」掲載)/文藝賞・山下紘加「ドール」(同)畠山丑雄「地の底の記憶」/群像新人評論賞(優秀作2編掲載)/本谷有希子「異類婚姻譚」(「群像」11月号)/

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2015年11月 1日 (日)

文芸同人誌評「週刊読書人」(2015年10月2日)白川正芳氏

山田梨花「俳句とはじめ」(「とぽす」58号)
「中部ペン」22号より中部ペン創立30周年記念行事・第28回中部ペンクラブ文学賞は本興寺更「蔵の中」・吉村萬壱の文学講座「小説を書くという在り方」・公開鼎談「同人雑誌の光と影」
「木木」28号より井手蛙の俳句「古希祝ふ」、河村幹夫「コナンドイルの書棚から」(「ほほづゑ」85号)、「吉村昭資料集2」(桑原文明編、吉村昭研究会発行)
福島昭午「ヘラクレスは来なかった」(「人間像」185号)、平戸喜文「アリスの居る日々」(「詩と眞實」9月号)、はまさきひろし「五つの詩篇」(「まくた」288号)、直木美穂子「タクシー・タクシー・タクシー10」(「VIKING」777号)、とうやまりょうこ「新月」(「孤帆」25号)
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