文芸時評9月東京新聞(9月29日)佐々木敦氏
筒井康隆「モナドの領域」最高傑作をうたう真意/赤坂真理「大津波のあと」歴史的に主題に迫る力業
《対象作品》筒井康隆「モナドの領域」(「新潮」10月号)/赤坂真理「大津波のあと」(同)/文学界10月号特集・
鼎談・柴崎友香、島本理生、村田紗耶香「酒とつまみと小説と」、村田紗耶香「日本酒女子会」/同特集・二十七名によるグラスを傾けながら読みたい名文・角田光代、池内紀、菊池成孔、坪内裕三、島田雅彦、山田詠美/同特集・極上小説つまみ・戌井昭人、藤野可織/すばる10月号特集・<国民のための新しい道徳教科書>瀬戸内寂聴・巻頭言。中島京子と姜英淑、小野正嗣の講演、松浦理英子のインタビュー、小説・高橋源一郎「Mのこと」/谷崎由依「幼なじみ」(群像10月号)。
筒井康隆「モナド領域」について、佐々木氏は「「この小説に登場するのは全知全能の「神」である。(中略)ラストシーンは、長年の愛読者ならば涙を抑えることができないだろう。私もそうだった。」と評する。
SF作家から純文学雑誌に掲載の場を移してきたユニークな作家の状況の変化が、現代日本文学の姿をしめしているようだ。
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