酷暑中で気力が衰退の記
このところの暑さには、参り候。事務所を退去したことで、雑事がつづいたが、とにかく無事にすます。趣味の文芸に本格的に取り組もうと、まず同人誌「みなせ」に北一郎名で評論投稿。これは、「外狩雅巳の手記」の解説文。いわゆる戦後70年の庶民の生活史として読むと、資本主義社会の基本的な姿が浮かんでくる。これを良い資本主義として標準にすると、現在の資本主義が劣化して、社会を悪くするであろうという予測を前提にしたもの。
人間社会は常に変化をするということは、現実である。しかし、実生活上は変化しないということを前提にしている。そのことの矛盾を自分で再認識するために書いたともいえるので、読者のことはほとんど考えないでいる。
昨年、中学時代の同級生の市民画家と話をしたが、描いた絵を人に見せるのが熱心でない。こうして書いたならば、どうなるかを自分で確かめるところに意味があるらしい。それに似ている。
ところで、8月の敗戦に関する番組をかなりたくさん見て、涙ぐむことがしばしば。とくに、原爆で両親を亡くし、一人になり、共に生き残った友人ががんでなくなった。女性は原爆病で結婚もせず、一人生きる。人間は神を必要としているとしみじみと思った。自己の存在は「無我」という思いを強くする。
それにしても、どれだけ反省しても、戦争はなくならない。まるで正気でなかったように回顧するが、そんことはない。正気でまた戦争をするのである。どれほど戦争はしたくないと、みんなが思っても、戦争はするのである。この人間精神の構造に触れた番組を目にしなかった。わかっていてもやめられない、という人間の精神構造はじつに簡単である。いうまでもないから、言わないのか。
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コメント
伊藤さん、お忙しいのに、同人誌読んでますね。
私も、結構雑務やほかのこと読んだり書いたりあるのですが、同人誌はなるべく読むようにしています。
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投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2015年9月 3日 (木) 13時34分