続・「外狩雅巳の世界2015」の北一郎の苦戦
外狩雅巳です。既に15人から感想などが到着した。その中での注目意見はこれです。
「二人の論を面白く読んだ。良い作家と良い評論家の関係のような気がし、悲劇も大きな可能性の一つでしょうか。一方でライフスタイルの多様化で全的な共通性が失われたことで文体の多様化を総括する事が出来なくなったと述べられてあり、小説を書くのも難しい時のようです。裏を返せば思い切ったモノも書ける時であり良い時代だと思っています」
この方は北一郎評の理解が深く克それを端的な文に出来ると感心している。北一郎評論が読み込まれないのは、論の展開と文体にあるとおもいます。更に、寄贈本への儀礼的な返礼にもあり読者との関係の深め方も原因です。
そして一番に問題なのがテクストの文章の質だと本気で反省している。北一郎の悲劇として本で指摘したように良い作品を対象にして欲しい。持論展開に急でテクストの読み方が粗いし、相応の作品が原因でしょう。
浅い描写の作品ならばそれを認めた上での持論への誘導が必要でしょう。または、それなりの描写・構成の作品になった背景も説明したらどうだろう。
散文詩的な文章の読み方への親切な解説が有れば論も冴えたと思います。
現在の文学状況の把握と方向示唆で斬新な北理論が勿体ないと思っています。
今後も読後感想と意見の返信は続くので更なる展開に期待しています。
折よく、雑誌「相模文芸」30号記念号の完成が重なり追加送付を多めに行いました。相模文芸内でも合評方法を変えて討論の深まりを企画しています。
高齢化した文芸同人会の活性化には工夫と努力も必要だと思います。交流会などの私の守備範囲内でも様々な方法を追求してゆきます。
■関連情報=詩人回廊・北一郎の庭
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